無口な一匹狼タイプ。
「遣使」(けんし)の間柄でもあまり感情を表すこと無く過ごしている。
必要最低限の話しかせず、自身の生い立ちも明かさないため、
素性を知る者は少ない。
武芸に秀で、また、様々な戦を経験してきた猛者である。
幼い頃、自分がお使いに出ていた最中、「多々良浜の戦い」に家族が巻き込まれた逆境をバネにし、たくましく育った。なぜ家族が死ななければいけないのか、どんな最期だったのか、という真相を探るべく、武装して自ら様々な合戦に参加し、生き延び京までたどり着いた。「遣使」(けんし)の使命を受けたのも、争いを経験した時代の人間としての務めを全うしようと決めたことから。家族を亡くした戦いの事実を後世にきちんと伝え、争いをなくす未来につなげることが務めだと自負したからである。
闇を断ち切る浄化の型
室町幕府の将軍は守護大名の連合の上に成り立っており、その権力は弱いものだった。こうした不安定な情勢に加え、有力大名の山名氏に『闇の者』が取り憑いていることで社会不安が増大。時の将軍、足利義満に仕える遣使(けんし)達は、合戦を防ぐために山名氏の説得に向かうのだった。