瑕欠点(きずけってん)
瑕欠点(きずけってん)
「地鉄が弛んでいる」(じがねがたるんでいる)とは、地鉄(じがね)に欠点がある場合の指摘の仕方のひとつ。
逆に「緩みがない」と言う場合は、欠点がなく素晴らしいことを指す。
刀の制作の際、細かく割った鋼を組み合わせ折り返し鍛錬する結果、刀身を形成する地鉄は、木目になぞらえることができる肌目を現わしながら密接に接合する。
刀工が高い技量を有していれば、意図した通りぎっちり圧縮され、接合の隙間がほとんど観えない状態(その度合いは、制作年代や国等によって異なる)となるが、後天的な研ぎ減りによって、表面の鍛錬した地鉄が薄くなり、芯となっている鉄が透き観えてきたりすることによって、地鉄の精緻さ(せいちさ)が損なわれて観える。
「地鉄が弛んでいる」(じがねがたるんでいる)とは、このような様を表現した言葉。
「流れ肌交じり」(ながれはだまじり)や「大肌交じり」(おおはだまじり)と同じように観える場合もあるが、それらが当初からの作風を現わす用い方をされる場合もあって、必ずしも欠点を指摘するとは限らないのに対し、後天的な欠点を現わす言葉として用いることがほとんどである。