「南蛮鉄」(なんばんてつ)とは、安土桃山時代頃から輸入されるようになった海外産の鋼の総称。
「南蛮」と冠し「阿蘭陀鉄」と呼ぶこともあるが、ヨーロッパ産と限ったわけではなく産地は多様で、東南アジアや中国産もあったと考えられている。
輸入時の形態から、「瓢箪鉄」・「木の葉鉄」等と呼ぶこともある。
材質的には、和鋼に勝るものではないというのがほぼ定説であるが、輸入品としての珍奇さや憧憬によるものか、これを用いた(実際には、少量混ぜ込んだ)ことを誇らしげに刻した銘文も多く存在する。
また、使い方によっては、非常に精良な地鉄(じがね)となるとの説もある。