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鑑刀用語(かんとうようご)
「頻りに働き」(しきりにはたらき)とは、刃中に、足、葉、砂流し、金筋(きんすじ)と呼ばれる働きが数多くあること。
名品に多く観られる。
「頻りに働き」(しきりにはたらき)とは、1振の刀を鑑賞して、金筋、砂流し、地景(ちけい)などの現象(これらを[働き]と呼ぶ)が、盛んに観て取れる様を表現する言葉。
文脈的には、先に例示したような現象に続いて用いられ「刃中に金筋頻りに働き」、「地に地景頻りに働き」などと書き表わすこととなる。
どの程度の頻度で現われれば「頻り」に該当するかの明確な基準などはなく、想定的・感覚的なものである。
「垢抜けした作域」(あかぬけしたさくいき)とは、古臭さがなく、すっきりと洗練されている作のこと。
刃文(はもん)・地鉄(じがね)ともに、冴えた刀剣によく使われる。
「荒めの沸を交えて叢になり」(あらめのにえをまじえてむらになり)とは、荒い沸粒が匂や他の物と交じって密集する様。
字のごとく、ムラな沸の集合体になっていることの表現。
「差し込み研ぎ」(さしこみとぎ)とは、刀剣の研ぎ方のひとつで、通常とは違い先に刃取り(はどり)をしてから拭いの作業をする。
地鉄(じがね)の状態がありのままに出て、映りも鮮明に出る研ぎの手法。
秋水仕上げとも言う。
匂出来(においでき:匂が刃文全体を覆うような様)の刀に合う研ぎと言われる。
「[忠吉の]秀岸銘」([ただよしの]しゅうがんめい)とは、新刀鍛冶である肥前初代忠吉が、僧の秀岸にもらった下書きを使用した銘のこと。
「新古境」(しんこざかい)とは、安土桃山時代から江戸時代初期頃の過渡期にかけての刀剣区分のこと。
刀剣は、1596年(慶長元年)を境にして、古刀と新刀に区分されるが、実際にはその時代の狭間に活躍した刀工がおり、きっちりと区分するのは困難です。
そのため、新古境という区分が必要になった。
「[国広の]天正打ち」([くにひろの]てんしょううち)とは、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した堀川国広が、京都一条の堀川に定住する前の作品のこと。末関物(すえせきもの:美的価値が低い実用的な数打物)などの作風が中心。
「天正磨上げ」(てんしょうすりあげ)とは、天正年間(1573~1592年)に行なわれた太刀の磨上げ(茎尻[なかごじり]を切って刀身[とうしん]を短くする)のこと。茎尻はごく浅い栗尻なのが特徴。
「慶長磨上げ」(けいちょうすりあげ)とは、慶長年間(1596~1615年)に行なわれた太刀の磨上げのことで、茎尻は一文字になる。
「虎の顎」(とらのあご)とは、江戸新刀の名工「虎徹」(こてつ:長曾祢興里虎徹[ながそねおきさとこてつ])が作刀した刀剣に現われる特徴的な刃文(はもん)のこと。
横手の下で焼き幅が広くなり、ふくらに沿って小丸に返る形が、まるで虎が口を開けているように観えることから名付けられた。
「南蛮鉄」(なんばんてつ)とは、ポルトガル、オランダなどの外国から輸入された鉄材のこと。
室町時代中期には、和鉄より高価。
使用している場合は「以南蛮鉄」(もってなんばんてつ)、「以阿蘭陀鉄」など、銘に添えて切られている。
「覇気に充ちている」(はきにみちている)とは、エネルギッシュで、迫力に満ちた刀を指す。相州伝の上位作や、清麿などの新々刀の名刀に多い。
「[国広の]堀川打ち」(くにひろのほりかわうち)とは、堀川国広が、京都一条堀川に住んでからの作品のこと。相州上工に範を取った作風が多い。
「最も擬せられる」(もっともぎせられる)とは、無銘の極めで、最もその様に見えること。
鑑定など、極めが必要なときに使う言葉。
「緩みや破綻なく」(ゆるみやはたんなく)とは、地刃に荒れた部分や、通常の作と比較しておかしいところが見当たらないこと。
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