姿(すがた)
姿(すがた)
「鎬高い」(しのぎたかい)とは、刀を鑑賞する際、文字通り鎬の稜線が高く見える様を表現する言葉。古刀期の大和物及びその影響を受けた作に見られる特徴。
どのような刀であれ、鎬は最も重ね(厚み)がある部分であるため、刀身(とうしん)を横から平面的に観た場合、自ずと最も高く見える。
その中で、特に「鎬高い」と特筆する表現について考えてみると、全体的に重ねがしっかり付く刀で、鎬から刃に向かって、かなり急に重ねを減じて行く結果、鎬が高く見える物を指すと考えられる。
一方、棟側に向けて、ほぼそのままの重ねを維持する場合と、刃側同様少し重ねを減じる場合がある。
棟側に重ねを減じる物であれば、たとえ全体の重ねがさほど付かない物であっても鎬が高く見えることとなるが、そのような物について「鎬高い」と特筆することはせず、「棟にかけて重ね(肉)を落とす」などと表現することが多い。