日本刀にまつわることわざをイラスト付きでご紹介します。 日本刀は武家の表道具として、生活の一部であったことから、長い間大切にされてきました。普段何気なく使っている言葉の中にも、日本刀が由来になっていることわざは数多くあります。
情けに歯向かう刃なしとは、情をかけられると、どんな人でも歯向かうことができないことを表す。
「なまくらもの」とよばれる切れ味の悪い刀のような、だらしがない怠け者のこと。
やわらかい素材である鉛を使って刀を作ることはできないことから、物の使い道を間違えてはいけないということ。
刀を抜いて戦わないまま手柄を立ててしまう武士のように、実力のある人がそれを発揮しないことでかえって評価されること。また、口だけで腕前を見せたことがない人のこと。
いきなり刀を鞘から抜いて切りかかること。転じて、予告なしに物事を行うこと。
刀を引き抜くことも差し戻すこともできないような、いかんともしがたい状況のこと。
鞘(さや)から抜いた刀のように、危険な物のこと。
手の動作すらも見えないほどに素早く刀を抜く如く、物事を迅速に行うこと。
抜いた刀の鞘を持って上げることから、早く戦うよう促すこと。また、後ろ盾として味方を援助すること。
武士が戦いの前に刀を研いで準備するように、ひそかに悪事を企てること。
刀の金属がすり減って棟(むね)の方向へとめくれ、切れ味が鈍くなることから、時間が経つにつれて能力が低下していくこと。
鞘(さや)から抜き取った刀を踏みにいくほど、肝っ玉が据わっていること。
刀で敵と戦っているときに流れ矢に注意を払うことができないことから、大きな物事に取り組んでいるときに小さな物事を見過ごしてしまうこと。
名刀「莫邪」のような優れた物も、使い手や使い方によってはその真価を発揮できないということ。
「莫邪」ほどの名剣を鈍い刀と呼び、鉛の刀を鋭いと評価する如く、世間の評判はあてにならないこと。
初めのうちは光ってもすぐに切れ味が悪くなる「奈良刀」のように、最初は立派でもすぐに使い物にならなくなってしまうこと。
技術の乏しい職人が細工を施しても小刀が単にすり減るだけであることから、意味のない努力のこと。
他人の太刀を使って手柄を立てるように、他人の物を利用して成果を出すこと。
火花が出るほど激しく刀をぶつけ合うことから、相手と激しく争うこと。
懐に忍ばせる短刀の如く、機密情報を知る腹心の部下のこと。
舟に刻みて剣を求むとは、「刻舟求剣」(こくしゅうきゅうけん)とも言い、時代の移り変わりを知らず、古い慣習・方法・考え方にこだわってしまって融通が利かないことを言う。
剣を落として舟を刻むとは、「舟に刻みて剣を求む」とも言い、時代の移り変わりを知らず、古い慣習・方法・考え方にこだわってしまって融通が利かないこと。
「舟に刻みて剣を求む」と「剣を落として舟を刻む」は同じ意味になります。
技術の低い刀鍛冶でもいつかは名剣を作り出すことができるように、根気よく努力を続けていれば偶然うまくいくこともあるということ。
ただでさえ強い弁慶が得意としている長刀を手に入れることでさらに強くなること。
鬼に金棒と同じ意味。
ペンを使い、言葉を伝えることで人の心に働きかけ、群衆を動かすのに対し、剣による武力を行使したとしても、言論にはかなわないこと。
「匕首(あいくち)」のような小さい刀に立派な鍔(つば)を付けたような、不釣合いな物のこと。
鍛冶屋の師匠と弟子がタイミングよく交互に刀を打つように、話し手の調子に合わせて反応すること。
槍が降るような厳しい状況でも、何があっても決行するという意志であるということ。
1本の槍しか持たない下級武士が、敵を倒すのに槍を使うしか方法がなかったことから、ただひとつの手段のこと。また、ただひとつの手段を押し通すこと。
敵からの攻撃を太刀で防ぐことから、口論で一方的にまくしたてられ守りに入ること。
半人前の侍にかぎって人前で刀を披露するように、実力がない者ほど、虚勢を張って外見を取り繕うこと。
刀を腰に付けずに手に持ったまま急いで駆け付けること。
男には腰に付ける刀が必要であり、女には衣装が必要であることから、人によって大切にすべき物が違うということ。
鑑定書である「折紙」がついた日本刀のように、品質が保証された物のこと。
よく切れる刀で、複雑にからまった麻を切る如く、複雑に絡み合った問題をものの見事に解決すること。
斬り付けた刀をすばやく翻して他の敵に斬りかかるが如く、ある者を攻撃した勢いを活かして他の者に攻撃すること。
歌舞伎などで演者が刀を持ち、観客に隠れて切腹し現れる演技から、痛みを我慢しながら感情を伝える場面のこと。
武器である刀や矢が使えなくなるように、状況に対処する手段がなくなってしまうこと。
武士が刀を振るうように、腕ずくで物事を解決しようとすること。または、刀を持った武士の名誉に懸けること。
人間の血液が刀を錆びさせることから、刀で人を斬ることの意。
刀を差している武士の威厳にかけて、ということ。
日本刀に付いているような鞘(さや)が剃刀にはないように、あっても良さそうな物が現実にはないこと。
複数の人が交代しながら物事に取り組むこと。鍛冶屋で刀を作るとき、「番子」とよばれる労働者が交代しながら「踏鞴」という送風機を踏んでいたことから。
季札剣を挂くとは、たとえどんなに状況が変わったとしても、決心したことを貫くということの例え。
戦場で刀の刃が欠けてもその場にある石で刃を磨いて対処することから、その場凌ぎの工夫で状況を切り抜けること。
「極め書き」とよばれる鑑定書が付いた刀剣の如く、確かな品質を持った物のこと。
口元では蜜のような甘いことを言いつつも、内心には危険な刀を隠し持っているような悪意を抱いていること。
剣術を身に着けるには10年、槍術は3年掛かることから、技術を習得するには時間が掛かることの例え。
戦で使った武器を売って牛を買い、農業に精を出すこと。また、争いから離れて平和に暮らすこと。
すぐに刀を抜けるように、刀を少し引き出しておくこと。
鎌倉末期の名工で天下三作である「郷義弘」(ごうよしひろ)による刀は少なく、存在するとは言われながらも、化物と同様に見たことがある人はいないということ。
武士のすれ違いざまに刀の鐺が当たるとき、無礼だとしてそのことを批判することから、ささいなことで相手を責め立てること。
刀を小手の先で細かく打つように、ささいな機転を利かせること。
道端で刀の鞘がぶつかり、武士どうしの争いへと発展することから、つまらないことをめぐって喧嘩すること。
鞘(さや)の口元が緩んで刀が抜けてしまうことよりも、口を滑らせることのほうが余程危険であること。
刀の鞘(さや)を持ち上げることから、争いに参加しようとすること。
日本刀の外側の鉄がはがれ芯がむき出しになる如く、人間の本性や本音が明らかになること。
刀鍛冶が「蹈鞴」を足で踏み付けて空気を送るように、激しく地面を踏んで怒ったりわめいたりすること。
舌は鋭い剣のように軽率な発言によって、命を脅かされることもあるため、言葉は慎重に扱うべきということ。
刀の小高い部分の鎬(しのぎ)が戦い中に削れてしまうくらい、激しく戦うこと。
武士が刀で切腹することから、自らのお金を出して責任を取ること。必ずしも自分が支払う必要のないお金をあえて負担すること。
1本の剣を10年間大切に磨く如く、時間をかけて努力を重ねて実力を発揮する機会を待つこと。
刃を迎えて解くとは、向かうところ敵のないさま、物事が簡単に解決していくさまを表す。竹を割る際、最初の節を割けば、あとは刃を迎えるように簡単に割くことができることに由来する。
「錐刀」とよばれる小さな刀のような、わずかばかりの利益のこと。
「錐刀」という小さな刀で大きな山を切り崩すように、小さな力で強大な相手に立ち向かうこと。
武士の戦で太刀を持って味方を援助しに行くことから、仲間の手助けをすること。
切羽(せっぱ)が詰まって刀が抜けなくなるように、状況をどうにもできないこと。
揉め事を解決するために相手と話し合いをすること。刀の鍔の「切羽」や「鎺」(はばき)に手をかけて交渉するという武士の習慣から。
狭い家の中では長い刀を振りかざすことができないことから、様々なしがらみのせいで力をうまく発揮できないこと。
曲がり具合の異なる刀と鞘(さや)のように、考え方の相性が合わないこと。
切りやすい大根を、「正宗」のような名刀で切るということから、大したことでもないのに大袈裟なことをする例え。
刀を高い位置に振りかざすような、上から目線の態度で相手に接すること。
大小の刀は武士にとって最も大切な物で、魂が込められているということ。
体格の大きな武士が腰に本物の刀を差している状況を表しており、全く問題ないことの例え。言うまでもない、念には及ばないという意味で用いる。
刀鍛冶が蹈鞴を力強く踏んで空気を送る様子は、空足を踏んでいるように見えることから、勢いあまって数歩進んでしまうこと。
「太刀打ち」は太刀で斬り合うこと。転じて張り合うという意味になった。相手が強すぎて、対等に張り合って競うことができない、相手にならないこと。
ダモクレスの剣とは、栄えている中でも危険が迫っているということ。また、いつも危険が身に迫っている状態のこと。
もともと武士が持つべき刀を町人が好むように、身分不相応なことをすること。
切れ味の悪い刀に鋼を焼き付けるように、その場しのぎの知識を身に付けること。
付け焼き刃はなまり易いとは、その場しのぎの知識・技術で切り抜けられるのは一時のみで、すぐにぼろが出てしまうことの例え。
「付け焼き刃」と「付け焼き刃はなまり易い」は同じ意味になります。
刀の鍔(つば)に接する部分のように、物事の大事な局面のこと。
刀の鍔(つば)をぶつけ合って戦いの決着がつかなくなることから、実力の互角な者同士が争って膠着状態に陥ること。
日本刀の刃の部分を裸足で渡り歩くような、非常に危ない試みをすること。
家宝として代々伝えられてきた名刀という意味から、いざと言うときにしか使わない、とっておきの切り札のこと。
筆と小刀を使って仕事をする位の低い役人という意味から。 紙のない時代に、木や竹に筆で文字を書き、書き誤ると小刀で削って修正するだけの役人。
道理に反抗して刀を向けることができないように、どんな無法者も摂理には敵わないということ。
切れなくなった刀を研がないでそれを作った鍛冶を恨んではならないということから、自らを磨く努力をせずに生まれた環境を恨んではいけないという意味。
短刀であるドスを用いて脅すように凄みを効かせた声のこと。
ドスとは短刀のことであり、短刀を懐に隠し持つこと。
斬首刑を行うために築いた土の壇のことで、絶体絶命の状況に立たされること。
刀を打つ鍛冶屋の槌の音がそろわないように、物事のつじつまが合わないこと。または、間の抜けた行動を取ること。
情けに歯向かう刃なしとは、情をかけられると、どんな人でも歯向かうことができないことを表す。
「なまくらもの」とよばれる切れ味の悪い刀のような、だらしがない怠け者のこと。
やわらかい素材である鉛を使って刀を作ることはできないことから、物の使い道を間違えてはいけないということ。
刀を抜いて戦わないまま手柄を立ててしまう武士のように、実力のある人がそれを発揮しないことでかえって評価されること。また、口だけで腕前を見せたことがない人のこと。
いきなり刀を鞘から抜いて切りかかること。転じて、予告なしに物事を行うこと。
刀を引き抜くことも差し戻すこともできないような、いかんともしがたい状況のこと。
鞘(さや)から抜いた刀のように、危険な物のこと。
手の動作すらも見えないほどに素早く刀を抜く如く、物事を迅速に行うこと。
抜いた刀の鞘を持って上げることから、早く戦うよう促すこと。また、後ろ盾として味方を援助すること。
武士が戦いの前に刀を研いで準備するように、ひそかに悪事を企てること。
刀の金属がすり減って棟(むね)の方向へとめくれ、切れ味が鈍くなることから、時間が経つにつれて能力が低下していくこと。
鞘(さや)から抜き取った刀を踏みにいくほど、肝っ玉が据わっていること。
刀で敵と戦っているときに流れ矢に注意を払うことができないことから、大きな物事に取り組んでいるときに小さな物事を見過ごしてしまうこと。
名刀「莫邪」のような優れた物も、使い手や使い方によってはその真価を発揮できないということ。
「莫邪」ほどの名剣を鈍い刀と呼び、鉛の刀を鋭いと評価する如く、世間の評判はあてにならないこと。
初めのうちは光ってもすぐに切れ味が悪くなる「奈良刀」のように、最初は立派でもすぐに使い物にならなくなってしまうこと。
技術の乏しい職人が細工を施しても小刀が単にすり減るだけであることから、意味のない努力のこと。
他人の太刀を使って手柄を立てるように、他人の物を利用して成果を出すこと。
火花が出るほど激しく刀をぶつけ合うことから、相手と激しく争うこと。
懐に忍ばせる短刀の如く、機密情報を知る腹心の部下のこと。
舟に刻みて剣を求むとは、「刻舟求剣」(こくしゅうきゅうけん)とも言い、時代の移り変わりを知らず、古い慣習・方法・考え方にこだわってしまって融通が利かないことを言う。
剣を落として舟を刻むとは、「舟に刻みて剣を求む」とも言い、時代の移り変わりを知らず、古い慣習・方法・考え方にこだわってしまって融通が利かないこと。
「舟に刻みて剣を求む」と「剣を落として舟を刻む」は同じ意味になります。
技術の低い刀鍛冶でもいつかは名剣を作り出すことができるように、根気よく努力を続けていれば偶然うまくいくこともあるということ。
ただでさえ強い弁慶が得意としている長刀を手に入れることでさらに強くなること。 鬼に金棒と同じ意味。
ペンを使い、言葉を伝えることで人の心に働きかけ、群衆を動かすのに対し、剣による武力を行使したとしても、言論にはかなわないこと。
刀を帯びない武士のように、身を守るのに必要な物を持たないこと。
刀の錆が刀身から生じることから、自らの悪い行いによって自らが苦しむこと。
日本刀の刃の反対側にある峰で相手をたたくこと。刀で相手を殺さずに退治すること。
かつて戦場で活躍した長刀が、のちに野菜を切る包丁として使われてしまうように、良い物も時勢によっては役に立たなくなってしまうということ。
刀を抜くときに「目釘」という金具が飛ばないように、濡らしておくこと。
刀の柄(つか)にある「目貫」とよばれる金具のような、華やかな街の大通りのこと。
刀がもともと収まっていた鞘(さや)に戻るように、離れ離れになった人同士が、再びもとの関係に戻ること。
両側に刃がある剣は、相手を切ろうとすると、自分をも傷付ける可能性があることから、一方では非常に有益だが、他方では大きな損害を与える危険もある物の例え。
刀を鍛える際に火を入れすぎて切れ味が悪くなるように、加齢などによって衰えてしまうこと。
刀鍛冶が金属を熱して刀を強化する如く、やる気のない者に活を入れて奮い立たせること。転じて、拷問すること。
槍を手玉のように自由自在に扱う様が如く、他人を非難の対象に挙げて責め立てること。
弓が袋の中に、刀が鞘の中に収められたままであることから、社会が平穏であることの例え。
戦場で、合戦している双方の横から別の一隊が槍で襲い掛かってくることから、関係ない人が横から口を出して、話などを妨げること。
大小の刀を同時に使うことから、全く異なる2つの物事をこなすことができる人のこと。
刀の代わりに連木(木の棒)で切腹しようとするような、不可能なことをすること。
自分の刀で己の首を切るように、自分の行為によって自らが苦しむこと。