※この写真は祐徳稲荷神社様からご提供いただいております。
-
- 鑑定区分
- 佐賀県重要文化財
-
- 時代
- 室町時代
-
- 制作国
- 備前国
-
- 刀工
- 康光
佐賀県鹿島市にある「祐徳稲荷神社」の歴史について、ご紹介します。
祐徳稲荷神社は、肥前・鹿島藩の初代藩主「鍋島直朝」(なべしまなおとも)の夫人で、後陽成天皇の孫に当たる「萬子媛」(まんこひめ)が、朝廷の勅願所だった「稲荷大神」の御分霊を勧請(かんじょう)したことが始まりです。萬子媛は1687年(貞享4年)、石壁山に社殿を建立、信仰の日々を送られました。1705年(宝永2年)萬子媛が80歳で入定(にゅうじょう)すると、媛の諡(おくりな)である「祐徳院殿瑞顔実麟大姉」(ゆうとくいんでんずいがんじつりんたいし)にちなんで、社名が「祐徳院」と呼ばれるようになりました。
石壁山の岩崖に組み上げられた本殿は、丹(に)塗りの高楼建築。その華麗な様子から、「鎮西日光」と言う異名もあります。
祐徳稲荷神社の祭神は、「倉稲魂大神」(うがのみたまのおおかみ)、「大宮売大神」(おおみやのめのおおがみ)、「猿田彦大神」(さるたひこのおおかみ)。倉稲魂大神は、萬子媛が御分霊を勧請した稲荷大神のことで、衣食住の生活全般を司る守護神、大宮売大神は技芸上達の神、猿田彦大神は水先案内や交通安全の神として信仰されてきました。
祐徳博物館では25点の刀剣類を収蔵しており、代表的な物が、佐賀県指定重要文化財の「太刀:銘備州長船康光」です。康光は室町時代前期(応永年間)の備前を代表する名工で、康光を中心に「応永備前」と呼ばれる名刀が制作されました。康光一派の作品では、帽子(ぼうし:刀の先の部分)の中に、先の尖った「ロウソクの芯」と称される紋が見られるのが特徴です。
また祐徳博物館では、鹿島藩(佐賀藩)主・鍋島家の「御用刀工」として活動していた「忠吉」一門の作品も収蔵・展示されています。初代忠吉は、「肥前刀」の祖と言うべき存在です。1596年(慶長元年)に鍋島家の命により、山城国の刀工「埋忠明寿」(うめただみょうじゅ)に弟子入りし、3年の修行を経て秘伝を伝授されました。その後、忠吉を筆頭とした忠吉家は江戸時代を通じて9代まで継続。100人を超える門人を輩出するなど、隆盛を極めました。
※ をクリックすると、拡大してご覧いただけます。
祐徳稲荷神社の収蔵作品をご紹介します。
※展示内容は時期によって異なります。
※この写真は祐徳稲荷神社様からご提供いただいております。
祐徳稲荷神社の施設情報です。「この施設の詳細を見る」ボタンからより詳しい投稿情報をご確認いただけます。
所在地 | 〒849-1321 佐賀県鹿島市古枝乙1855 |
---|---|
電話番号 | 0954-62-2151 |
交通アクセス | 「嬉野IC」から約13km |
拝観時間 | [境内] 制限無し [祐徳博物館] 9~16時30分 |
拝観料 | [境内] 無料 [祐徳博物館] 大人 300円(200円) 大学生・高校生 200円(100円) 小・中学生 100円(50円) ※( )内は20人以上の団体料金です。 |
駐車場 | 有り |
公式サイト | https://www.yutokusan.jp/ |
ホームメイト・リサーチの旅探「神社・寺・教会」では、祐徳稲荷神社の詳細情報とユーザーからの口コミ、施設写真、施設動画の投稿情報をご覧いただけます。
※ご投稿いただくには、ホームメイト・リサーチへのユーザー登録が必要です。
佐賀県の日本刀関連施設
佐賀県にある日本刀関連施設をご紹介します。