刀の歴史は大変古く、日本神話に出てくる三種の神器のひとつ「草薙劒」や、1300年余り続く伊勢神宮最大のお祭り「式年遷宮」の儀式で大御神に捧げる神宝「御太刀」など、日本人にとって刀は、いにしえの時代から非常に神聖な存在でした。刀剣にまつわる神事・文化・しきたりでは、現代に受け継がれている、しきたり・風習、神事や祭礼、地域の伝統芸能などの中から、刀剣・日本刀が深く関係しているものを幅広くご紹介。刀剣・日本刀が人々にとってどういう存在であったのか、その歴史についても解説しています。

現代のしきたり・風習

日本刀の制作には「たたら製鉄」による玉鋼が用いられており、「ふいご」や「踏鞴」(たたら)は製鉄の際に欠かせない仕事道具です。現代でも刀匠や鋳物業者などが行なう「ふいご祭り」をはじめ、祀られる神や伏見稲荷の「火焚祭」(ひたきさい)、たたら製鉄などにも触れていきます。
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現代においても「関の刃物はよく切れる」と評判であり、刀匠達の刃物づくりが受け継がれる関市。関市での刀鍛冶の歴史などを伝える関鍛冶伝承館で毎年正月に行なわれる「古式日本刀鍛錬打ち初め式・刀剣研磨外装技術仕事始め式」について、また関鍛冶ゆかりの春日神社についてもご紹介します。
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三種の神器のひとつ、「草薙劒」(くさなぎのつるぎ)が祀られている熱田神宮。そのご神前で、毎年7月に「刀剣鍛錬奉納」、そして8月には「刀剣研磨等技術奉納」が行なわれています。日本刀制作や熱田神宮での刀剣にまつわる行事、そして熱田神宮についても触れていきます。
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皇室では、子どもが生まれると天皇陛下から「守り刀」が贈られる皇室行事があります。その行事は「賜剣の儀」(しけんのぎ)と呼ばれ、贈られる刀剣を制作することは刀匠にとっても名誉なことです。守り刀の風習を中心に、源義経の守り刀の言い伝えもご紹介します。 ネット通販サイトでは、博物館内のミュージアムショップで取り扱う模造刀が購入できます。
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現代では、男児が誕生すると名の知られた武将達の甲冑(鎧兜)の複製品などを贈り、兜や太刀を飾る風習があります。そもそも端午の節句の意味や始まりはどのようなものでしょうか。時代とともに変化してきた端午の節句について、過去にさかのぼって変遷をみていきます。
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武具は使わず体をぶつけ合い、技を駆使して闘う大相撲。日本刀は一見無関係のようにも思えますが、江戸時代には帯刀を許された力士もいたそうです。江戸時代に力士が帯刀をした意味、横綱と太刀についてなど、大相撲と日本刀にまつわる話を紹介します。
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現代の神事・祭礼・伝統芸能

伊勢神宮では20年ごとに「式年遷宮」(しきねんせんぐう)が行なわれています。 式年遷宮とは、定期的な造営や修理の際にご神体を本殿にうつすことで、その際に2つの正殿と14の別宮、さらには装束や須賀利御太刀を含む714種1576点の御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)などをすべて新しく造り替える伝統行事です。 式年遷宮が始まったのは奈良時代の690年。そして伊勢神宮の歴史はさらに古く、創設は皇室の祖先である天照大御神(あまてらすおおみかみ)の時代、日本神話まで遡ります。 いったいどのようにして式年遷宮が始まったのか、伊勢神宮の歴史と式年遷宮、そして神宝の太刀の中でも代表的な御太刀(おんたち)についてご紹介します。
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「安乗神社」(あのりじんじゃ)は、三重県志摩市にある神社です。文禄の役の際の航海を助けたり、安政東海地震の津波を防いだり、日清戦争・日露戦争への出征者を無事に帰したりと数々の逸話がある「安乗神社」。現在の「安乗神社」では、「波乗守」というお守りがサーファーの方たちに人気です。 全国の神社で行なわれる神事のなかには、八岐大蛇(やまたのおろち)伝説をモチーフとした神事があります。「安乗神社」の「しめ切り神事」もそのひとつ。「しめ切り神事」の「しめ」とは「注連縄」(しめなわ)の「しめ」のことで、長さ30m、太さ1.5mの2本の「注連縄」を蛇に見立てて、日本刀で切る神事です。素盞嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した故事が由来と言われています。 そんな「安乗神社」の「しめ切り神事」に関して、「しめ切り神事」の由来や「しめ切り」をする人の選び方などを解説しましたので、ご覧下さい。
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埴生護国八幡宮(はにゅうごこくはちまんぐう)は、富山県小矢部市にある神社です。木曽義仲(源義仲)が「倶梨伽羅峠の合戦」の勝利のため、この埴生護国八幡宮にお祈りしたと言われています。加賀藩前田家によって建てられた社殿は国の重要文化財です。 全国の神社で行なわれる神事のなかには、戦いをイメージし、日本刀を用いた舞いがあります。埴生護国八幡宮の宮めぐり神事もそのひとつ。木曽義仲が戦いに勝利したことに由来しているようです。埴生護国八幡宮の宮めぐり神事に関して、また、もとになった倶梨伽羅峠の合戦や木曽義仲についてご紹介します。
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埼玉県本庄市の普寛霊場(ふかんれいじょう)では、日本刀の刃の上を素足で歩く、刃渡り神事が行なわれています。 刃渡り神事は荒行の一部と言われており、悟りを開くために行なうようです。苦痛を伴う過酷な状況下に置かれることにより、精神力を高めることを目的としています。 刃渡り神事が行なわれる普寛霊場は、普寛行者が亡くなった場所で、信仰者にとっては聖地のようなものです。そのため普寛行者を偲んで、4月と10月の大祭には、全国から信者が集まります。 普寛霊場で行なわれる刃渡り神事とは、具体的にどのような行事なのでしょうか? こちらでは、刃渡り神事が行なわれる普寛霊場や、場所・信仰にかかわりのある修験者の普寛行者について、ご紹介します。
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新潟県佐渡市には、日本刀を操り2人1組で組太刀を行なう「白刃」(しらは)と呼ばれる武芸があります。一時は廃れた時代もあったようですが、現在では白刃保存会が発足しており、地域の青少年へと継承されているようです。 その白刃について、また白刃に影響を与えたとされる佐渡市の伝統芸能・鬼太鼓(おんでんこ)、同じく佐渡市に伝わる流鏑馬(やぶさめ)についてご紹介します。
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日本刀にまつわる行事のひとつに、箱根神社境内にある武道場で行なわれる「居合道全国選抜八段戦箱根大会」があります。居合道で「八段」になるには、長い年月と居合道の確かな腕が必要になりますので、「居合道全国選抜八段戦箱根大会」は居合道の熟練者が集まる厳しい大会です。 「居合道全国選抜八段戦箱根大会」の由来は、鎌倉時代に生きた曽我兄弟が関係しています。そんな曽我兄弟の話を中心に、箱根神社境内にある曽我神社や傘焼の儀についてご紹介。「居合道全国選抜八段戦箱根大会」が生まれることになった曽我兄弟の物語をご覧下さい。
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古代神話の地とされる宮崎県高原町には、国の重要無形民俗文化財に指定される2つの神楽「祓川神楽」(はらいがわかぐら)と「狭野神楽」(さのかぐら)があります。毎年12月の第1土曜日に霧島東神社の氏子によって代々行なわれる「祓川神楽」と、毎年12月の第2土曜日に狭野地区の行事として行なわれる「狭野神楽」。「祓川神楽」は「祓川神楽保存会」に、「狭野神楽」は「狭野神楽保存会」によってそれぞれ伝統が守られています。「祓川神楽」と「狭野神楽」の特徴は、大人も子供も刀剣(日本刀)を使用する剣舞です。そんな2つの神楽「祓川神楽」と「狭野神楽」について、また高原町にまつわる神話についてもご紹介していきます。
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神話のふるさととして知られる出雲をはじめ中国地方では様々な神楽が伝承されています。出雲地方から全国に広まった神楽の一派・出雲神楽について、また出雲神楽の流れをくんだ石見神楽について取り上げながら郷土芸能の魅力をご紹介します。
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吟詠に合わせて日本刀や扇を持って舞う、剣舞。伝統的な日本舞踊のひとつとして芸術性が高いのはもちろん、日本刀を扱う武人としての気迫や格調も感じられる奥深い文化です。剣舞の歴史や日本舞踊の歴史、各地の剣舞をご紹介します。
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岩手県には、鬼の面を付け、日本刀を持って舞い踊る「鬼剣舞」(おにけんばい)という民俗芸能があります。鬼剣舞の迫力のある演舞は、アクロバットさながら。衣装の特徴や鬼剣舞の起源、伝承について、また鬼剣舞の他にも、岩手県に伝わる独特な剣舞をご紹介します。
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いにしえの刀剣の役割

日本神話とは、古代より日本各地に伝えられてきた、アマテラスやイザナミなどの神様・女神様にまつわる物語のことです。古事記や日本書紀、風土記によって、日本神話は伝承されてきました。 日本列島の誕生から成り立ち、日本の建国といった様々なエピソードが展開する日本神話には、現在まで日本の天皇家に代々受け継がれる「八咫鏡」(やたのかがみ)、「八坂瓊曲玉」(やさかにのまがたま)、「草薙剣」(くさなぎのつるぎ)の「三種の神器」が登場します。 ここでは、そんな由緒ある「三種の神器」とそれにまつわる日本神話について紹介していきましょう。日本神話にいつ鏡・勾玉・剣の「三種の神器」が登場したのか、歴史を紐解きます。
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誰しも聞いたことがあるであろう「三種の神器」。 「三種の神器」とは、天皇家に代々受け継がれてきた「草薙剣」、「八咫鏡」、「八尺瓊勾玉」という秘宝を指します。「三種の神器」という言葉自体は、古文書である古事記・日本書紀などには使われておらず、日本書紀においては「三種宝物」という言葉で称されています。 数々の神話と共に受け継がれてきた「三種の神器」は現在どこにあるのでしょうか。「三種の神器」を直接観ることは正式な継承者である天皇ですら禁じられています。 そのため、本当に存在しているのかどうか確認する術はありません。紆余曲折を経て今日まで至った「三種の神器」について見ていきましょう。
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「石上神宮」(いそのかみじんぐう)は奈良県にある非常に古い歴史を持つ神社です。かつての豪族・物部氏の総氏神であり、物部氏滅亡後は大和朝廷の武器保管庫だったと伝えられています。ここでは石上神宮の歴史、そして石神神宮に納められる「七支刀」(しちしとう)の由来を紐解いていきましょう。
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石上神宮(いそのかみじんぐう)に伝承される「七支刀」(しちしとう)は、左右に3つの枝刃が互い違いについた鉄製の剣で、その形状から武器ではなく祭事や儀式に用いられた儀刀あるいは呪刀と考えられています。百済(現在の大韓民国)から日本にもたらされた七支刀はどのような経緯で作られ、どのような特徴を持つ刀なのでしょうか。そこから当時の中国について推察することができるのです。
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武士・刀剣にまつわるしきたり

江戸時代、特に江戸城内では様々なしきたりがあり、出入りする門や駕籠で乗り入れできる場所、引き連れる従者の人数など、家柄や身分によって細かく決められていました。それらのしきたりや江戸城内での様々な作法、参勤交代についてご紹介していきます。
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「切腹」は自ら腹を斬る行為です。その勇気を讃えて武士にとって切腹は名誉あるものと考えられてきました。日本最初の切腹は平安時代でしたが、それは「名誉ある死」とはほど遠いものだったようです。 しかし戦国時代になると切腹の意味合いも変わり、江戸時代には武士としての面目を保つ、名誉を挽回する行為となります。そんな武士の切腹についてご紹介していきます。
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安土桃山時代から江戸時代にかけて、日本刀の武器としての品定めや鍛錬のために「試し斬り」が行なわれていました。ただし、江戸時代になると徐々に試し斬りは忌み避けられるように。試し斬りの専門職が設けられるようになり、山田浅右衛門(やまだあさえもん)の名が受け継がれました。日本刀の試し斬り文化や山田浅右衛門について、時代を追ってご紹介します。
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刀の歴史は大変古く、日本神話に出てくる三種の神器のひとつ「草薙劒」や、1300年余り続く伊勢神宮最大のお祭り「式年遷宮」の儀式で大御神に捧げる神宝「御太刀」など、日本人にとって刀は、いにしえの時代から非常に神聖な存在でした。刀剣にまつわる神事・文化・しきたりでは、現代に受け継がれている、しきたり・風習、神事や祭礼、地域の伝統芸能などの中から、刀剣・日本刀が深く関係しているものを幅広くご紹介。刀剣・日本刀が人々にとってどういう存在であったのか、その歴史についても解説しています。

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