当鎧は、南北朝時代に活躍した楠木正成の国宝の甲冑に似た形状で、古風の特徴がよく現れています。
杏葉(ぎょうよう)には「九曜紋」(くようもん)、吹返には「三つ葉葵紋」(みつばあおいもん)があり、摂津尼崎の桜井松平家(松平氏の庶流。十八松平のひとつ)の家紋と思われます。
九曜紋と「三ツ輪違紋」(みつわちがいもん)は、多元的な調和を現しながらも、戈(か:矛のような武器)を持って堂々と前進する武の心を表現しています。鉄籠手は「明珎宗保」(みょうちんむねやす)の在銘作。
ねりかわくろうるしぬりほんこざねこんいとおどしどうまるぐそく
※画像はクリックすると、拡大してご覧いただけます。