輸入古式西洋銃
ぐりーん・ぶらざーずぱてんと かんうちしききへいじゅう グリーン・ブラザーズパテント 管打式騎兵銃/ホームメイト
本銃は、イギリスの「グリーン」兄弟が、1862年(文久2年)にパテント(特許権)を取得した管打式騎兵銃(かんうちしききへいじゅう)です。
当時、イギリス陸軍は銃口から銃弾を込める前装式の「エンフィールド小銃」から、銃身の後部から銃弾や装薬を充填(じゅうてん)する後装式軍用銃への切り替えを図っていました。1864年(文久4年/元治元年)、エンフィールド小銃の後継として主力となる小銃の選定が行われます。このトライアル(試験)には47種類の小銃が提出され、「グリーン・ブラザーズパテント 管打式騎兵銃」は最終トライアルまで進んだ9挺のひとつに選ばれたものの、最終的にはスナイドル小銃が採用されました。
本銃は、雷管(らいかん:火薬に点火する起爆用の部品)を弾薬とは別に装着するという特殊な後装式システムを利用しており、雷管と一体になったボクサー式弾薬を使うスナイドル小銃に比べトライアルには不利だったのです。
トライアルで採用されなかったものの、グリーン・ブラザーズパテント管打式騎兵銃は日本へ輸出されることとなります。歩兵銃と騎兵銃という2つのモデルが存在する本銃ですが、日本へは日本人の体格に合わせて騎兵銃が優先的に輸出されました。
本銃は、イギリス軍将校が私物として使用する目的で、わずかな数が生産されるにとどまったため、本国イギリスではほとんど現存していません。そのような特殊な銃が日本で発見されたことは愛好家の間で話題になっています。