輸入古式西洋銃
M1860へんりーしょうじゅう(うえだはんはこがき) M1860ヘンリー小銃(上田藩箱書)/ホームメイト
「ヘンリー小銃」は、「ベンジャミン・テイラー・ヘンリー」が1850年代(嘉永3年~安政6年)後半に開発した、弾を手元から込める「後装式」(こうそうしき)の連発銃です。アメリカの銃器メーカー「ニューヘイヴン・アームズ社」初の「レバーアクション式」小銃として、1860年(安政7年/万延元年)より販売が開始されました。
ヘンリー小銃の基本的な構造は、同じくレバーアクション式の銃である「ボルカニック銃」を改良した物となっており、薬莢底部にある張り出し(リム)内部に発火薬を仕込み、これを叩いて発火する「リムファイア弾」を装填します。
ヘンリー小銃は、1861年(万延2年/文久元年)にアメリカで勃発した「南北戦争」において、南軍と北軍、どちらにも正式な装備に選ばれなかったものの、数多くの北軍兵士達が自費で購入して使用していました。15連発が可能であったヘンリー小銃の威力は、弾を銃身の先端部から込める旧型の「前装式」(ぜんそうしき)小銃を主力兵器としていた南軍兵士達に、「日曜日に弾を込めたら1週間ずっと撃てるのか、腹立たしい!」と、言わしめたほどだったと伝えられています。
本鉄砲は、幕末期に上田藩(現在の長野県上田市)が購入したヘンリー小銃5挺(ちょう)のうちのひとつです。上田藩は西洋式軍事調練をいち早く取り入れており、「旧幕府軍」と「新政府軍」による一連の戦い「戊辰戦争」では新政府軍側に付き、「北越戦争」などに出兵しました。
上田藩の有していたヘンリー小銃をはじめとする西洋式の軍備が、戊辰戦争における新政府軍の勝利に貢献したと考えられています。