輸入古式西洋銃
しゃすぽーMle1866ほへいじゅう(1がた) シャスポーMle1866歩兵銃(1型)/ホームメイト
「シャスポー銃」は1866年(慶応2年)、フランス陸軍の軍備に正式採用された「ボルトアクション式」の小銃です。「アントワーヌ・アルフォンス・シャスポー」が、銃尾(じゅうび)から弾を込める「後装式銃」(こうそうしきじゅう)の試作を繰り返した末に完成させたシャスポー銃は、フランスで1,000,000挺(ちょう)以上が製造されました。
日本でシャスポー銃が知られるようになったのは、1866年(慶応2年)にフランス皇帝「ナポレオン3世」から江戸幕府に対し、約1,800挺(2,000挺とも)が無償提供されことがきっかけでした。そのあと、江戸幕府は約10,000挺のシャスポー銃をフランスに注文。これは、当時の日本において最新鋭の武器であったシャスポー銃を、大名などに売却することが目的であったと言われています。
しかし、当時の日本にはフランス語の通訳があまりおらず、シャスポー銃に関する取扱説明書などの日本語訳が満足にできていない状況であったため、イギリスから薩摩藩(現在の鹿児島県)が輸入した同じ後装式の「スナイドル銃」に比べると、日本国内ではあまり普及しませんでした。
「刀剣ワールド財団」が所蔵する本鉄砲はシャスポー銃のなかでも、1868年(慶応4年/明治元年)までに製造された「1型」と称される最初期のモデルです。本鉄砲と同じモデルのシャスポー銃は、1870~1871年(明治3~4年)にプロイセン王国とフランスが対立した「普仏戦争」(ふふつせんそう)でも用いられています。その結果、ガス漏れ防止機構が充分でないことが判明したために改良を加え、使用する薬莢についても紙製から金属に変更され、1874年(明治7年)式モデルが誕生しました。