輸入古式西洋銃
げべーるじゅう おらんだ えむいちはちよんに かんうちしきほへいじゅう ゲベール銃 オランダ M1842 管打式歩兵銃/ホームメイト
本鉄砲は、1842年にオランダ軍で採用された「ゲベール銃」です。火薬への点火法は、発火剤を詰めた「雷管」(らいかん)を、撃鉄(げきてつ:ハンマー)で叩いて発火させる「パーカッションロック式」で、日本では「管打式」(かんうちしき)と呼ばれました。
銃身と銃床をつなぐ金具には、銃のモデル名「M1842」の刻印があります。また、銃床の右側面の刻印は、オランダの製造所の名称「P.STEVENS A.MAASTRCHT」と製造年を示す「1856」です。
銃床には1873年(明治6年)の干支「癸酉」(きゆう)の「酉」と思われる刻印が見られます。この刻印は、明治政府が1872年(明治5年)から銃の登録を義務付けた際、届け出のあった銃に打ったもの。このことから、本鉄砲が幕末の頃には日本国内にあり、1873年に届け出られたと推測できるのです。
ゲベール銃は、1831年(天保2年)に砲術家「高島秋帆」(たかしましゅうはん)がオランダから輸入して日本に紹介し、江戸幕府や諸藩が数多く導入。国内でも多くの和製ゲベール銃が生産されましたが、本鉄砲は、その原型となった貴重なオリジナルモデルです。