火縄式銃砲
ひなわじゅう むめい はざまづつ 火縄銃 無銘 狭間筒/ホームメイト
「狭間筒」(はざまづつ)とは、一般的な火縄銃よりも銃身が10cm以上長く、全長が140cmより長い鉄砲のことです。本狭間筒の全長は146cm、銃身の長さは110.7cmあります。狭間筒は、城の土塀に開けられた小窓である「狭間」や、船舶などに固定して使用されました。標準射程距離は200~300mほど。遠距離の敵に対して有効な、現代で言う狙撃銃にあたります。
本狭間筒の銃身は八角銃身(八角形をした角筒)で、銃口部は八角柑子(はっかくこうじ:八角形に角張ったふくらみのある形状)です。筒部分の上部に「鯉の滝登り」と「荒波」の意匠が真鍮(しんちゅう)・銀の象嵌(ぞうがん)で施されています。
銃床(じゅうしょう:銃身を支える部分)の目釘穴(めくぎあな)には菱形の座金(ざがね)が使われているのが特徴的です。
保存状態は大変良好で、カルカ(装填用の棒)が付いており、筒部分の末端を密閉するための尾栓(びせん)をはずすこともできます。