扇
未査定
ぐんばい 軍配/ホームメイト
「軍配」は、団扇(うちわ)の一種で、戦場において武将が指揮具に使用した扇です。本軍配は、柄の部分が黒漆塗となっており、その上に白い籐巻き(とうまき)が巻かれ、扇部分の上下の固定具、及び縁部分は鍍金(めっき)で覆われて、軍配の深い色によく映える美しい造りとなっています。
軍配を現在でも見られる場所と言えば、日本の国技である「相撲」の土俵上。相撲の勝敗を決定する審判役「行司」(ぎょうじ)が手に持っているのが軍配です。
現在の相撲の前進となる「勧進相撲」(かんじんすもう:寺社の建築費や修繕費を捻出するための興行相撲)が行なわれ始めた当初は、扇形の軍配団扇「軍扇」(ぐんせん)や、「唐団扇」(とううちわ:ひょうたん型の中国風団扇)などが使用されていました。その後、元禄年間(1688年~1704年)頃から、現代の軍配が主に使われるようになります。
ちなみに、慣用句の「軍配が上がる」の語源は、相撲の取り組みで勝敗が決した際に、行司が軍配を上へ掲げる動作が由来と言われており、現代ではスポーツだけではなく、議論や勝負の場において多く用いられる言葉になりました。