本
未査定
あづまかがみ ぜんにじゅうごさつ 吾妻鏡 全二十五冊 /ホームメイト
「吾妻鏡」(あづまかがみ)は、鎌倉幕府が編纂した歴史書。「東鑑」とも書きます。1180年(治承4年)、平家討伐を命じる「以仁王」(もちひとおう)の令旨(りょうじ)が「源頼朝」(みなもとのよりとも)に届けられたことにはじまり、1266年(文永3年)に鎌倉幕府6代将軍「宗尊親王」(むねたかしんのう)が帰京するまでの出来事が、編年体(へんねんたい:出来事を時系列に沿って記したもの)で書かれました。東国の武家社会の歴史を詳細に記していることが特徴です。
内容は鎌倉幕府に関係することが中心で、鎌倉以外の地域や御家人ではない人々に関することはほとんど書かれていないなどの問題点はあるものの、鎌倉幕府を研究するうえでとても重要な史料となっています。
編者は未詳で、北条氏一門の「金沢氏」や、幕府の実務に携わった人々によって編纂されたとする説が有力です。成立年も分かっていませんが、鎌倉時代末の1300年頃と推定されています。
原本の所在は不明で、多くの写本がありますが、古い物としては室町時代の写本が現存。
江戸時代には、古活字本(こかつじぼん:文禄年間(1592~1596年)から寛永年間(1624~1644年)頃にかけて、木活字または銅活字を使って印刷、刊行された書物)の形式で出版されるようになりました。1605年(慶長10年)には、「徳川家康」(とくがわいえやす)によって古活字本が刊行され、1626年(寛永3年)には整版本(せいはんぼん:版木を用いて印刷した書物)でも刊行されました。
本史料は「寛永三年三月日」と記されていることから、1626年に刊行された整版本であることが分かります。