表具
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あづまかがみさん 東鑑纂 /ホームメイト
「東鑑」(あづまかがみ:[吾妻鏡]とも書く)は鎌倉幕府が編纂した歴史書で、1180年(治承4年)から1266年(文永3年)までの出来事が記されています。
編者、成立年はともに未詳。原本の所在は不明です。多くの写本が残っており、江戸時代には、古活字本(こかつじぼん:木活字または銅活字を使って印刷、刊行された書物)が刊行され、1626年(寛永3年)には整版本(せいはんぼん:版木を用いて印刷した書物)でも刊行されています。
「東鑑纂」(あづまかがみさん)は、東鑑の版本(はんぽん:木版で印刷された本)から脱落した部分をまとめた書物です。本書は1783年(天明3年)に書写された物で、奥書(おくがき:書籍の末尾に書かれた文章)には書写した「伊勢貞丈」(いせさだたけ)・「源高敬」(みなもとこうけい)・「人見貞公」の3名の名が記されました。このうち、伊勢貞丈は江戸時代中期の著名な武家故実(こじつ:儀式や法令などの先例)の研究家です。
また、蔵書印から、「本山彦一」(もとやまひこいち:明治時代から昭和時代にかけての実業家)及び「高橋貞一」(たかはしさだいち:昭和時代から平成時代にかけての国文学者)の旧蔵品であることが分かります。