名前の由来も制作者も不明ですが、平安期の「大和伝」の特徴が見えることから、大和鍛冶作とされる太刀。源頼政が、近衛天皇の命で宮中より「鵺」(ぬえ)という怪物を退治した際に、天皇より拝領したものです。源頼政は、「平治の乱」で源氏でありながら平清盛に付き、平清盛の信頼を得てめきめき出世。従三位まで登り詰めたときには、すでに70歳も過ぎ、あとはのんびり余生を過ごせば良いだけのはずでした。
しかし、不遇の皇子・以仁王(もちひとおう)が平清盛と対立すると、以仁王側に付いて挙兵。平家の攻撃を受けて、あっけなく敗れてしまいます。
「獅子王」は、徳川家康の手に渡ったのちに、源頼政の嫡流とされる土岐家に伝わりました。明治期に明治天皇へ献上されたのち、重要文化財に指定されています。