本大太刀は、南北朝時代の「後村上天皇」(ごむらかみてんのう)が愛媛県今治市の「大山祇神社」(おおやまづみじんじゃ)に奉納したと伝えられています。
本大太刀を制作したのは、大和国(現在の奈良県)「千手院派」(せんじゅいんは)の刀工「長吉」(ながよし)です。千手院派の刀工達は、「東大寺」(奈良県奈良市)に属する承仕法師(じょうじほうし:寺院の雑用を務める下級の僧侶)であり、東大寺の僧兵達のために刀剣を作っていました。刀工達が拠点とした場所の近くに「千手院堂」があったことから、そのまま千手院派という派号で呼ばれるようになったと伝えられています。
本大太刀の刃長(はちょう)は136.0cm、反りが4.8cm。南北朝時代に流行した「野太刀」(のだち/のたち)と言われる大太刀の代表作です。
1911年(明治44年)に重要文化財指定となり、その後の1953年(昭和28年)3月31日には国宝に指定されました。現在も、大山祇神社が所蔵しています。