本薙刀は、鎌倉時代末期に備前国(現在の岡山県東部)で活躍した刀工「助光」(すけみつ)が作刀した薙刀です。
本薙刀の各寸法は、長さが56.7cm、反りが2.7cm、元幅が3.3cm、茎長は60.9cm。表側には「一備州吉岡住左近将監紀助光」、裏側には「元応年庚申十一月日」という銘文が記されています。
鎌倉時代末期に制作された薙刀の典型で、同時期に作られた薙刀の年紀作は珍しいため、史料的に貴重な1振です。江戸時代に加賀藩前田家に伝来したと言われており、現在は個人蔵となっています。
本薙刀の制作者である助光は、「吉岡一文字」派の刀工です。助光が制作した刀剣は、最も技量が優れていると言われており、高い評価を得ています。