本短刀は、鎌倉時代の山城国(現在の京都府)の刀工「粟田口吉光」(あわたぐちよしみつ)の短刀。筆頭に挙げられることもある代表作のひとつ。
「藤四郎」は「吉光」の別名で、吉光作の短刀にその名が付けられています。豊臣家家臣の木村常陸介(ひたちのすけ)が、大坂の豪商「平野道雪」(ひらのどうせつ)より、金30枚で買い上げたとされることから「平野藤四郎」(ひらのとうしろう)の名があります。
吉光の短刀のなかでは大振り。木村常陸介から豊臣秀吉に献上されたものを「前田利家」(まえだとしいえ)が拝領し、一度は徳川将軍家に献上されますが、再び前田家へ。そのまま明治時代を迎え、前田家より明治天皇に献上されました。