本太刀は、鎌倉時代中期に備前国(現在の岡山県東部)で「福岡一文字派」の刀工として活躍した「助真」が作刀した太刀です。
鎬造り、庵棟、磨上げながらも腰反りで踏張り残るのが特徴。茎は磨上げとなっており、先刃は上がり栗尻、茎先部分に在銘が記されています。寸法は、身長が66.9cm、反りが1.8cm、元幅が3.0cmとなっており、鋒/切先長が3.5cm。
本太刀は、栃木県日光市の「日光東照宮」に伝わる「徳川家康」所持の太刀と同様に素晴らしい出来となっています。助真の代表作とも言える1振で、紀州徳川家に長らく伝来してきました。
1935年(昭和10年)4月30日に重要文化財に指定されたのち、1953年(昭和28年)3月31日に国宝へ指定。現在は、独立行政法人「国立文化財機構」の所有となっており、東京都台東区上野にある「東京国立博物館」が所蔵しています。