本太刀は、鎌倉時代末期に備前国(現在の岡山県東部)で活躍した刀工「吉岡一文字助光」が作刀した太刀です。
各寸法は、長さが2尺7寸1分(約82.3㎝)、反りが1寸2分(約3.4㎝)。本太刀の銘由来については不明です。本太刀は、江戸時代前期に3代将軍「徳川家光」と4代将軍「徳川家綱」の老中を務めた「阿部忠秋」(あべただあき)が、大雨で増水した隅田川の流れを読み、徳川家光が無事に川を渡れるように助けた功績により、徳川家光から拝領した太刀と言われています。
明治時代に愛刀家の「堀部直臣」氏が所有し、1940年(昭和15年)5月3日に重要文化財指定、1953年(昭和28年)3月31日に国宝指定となりました。
本太刀を制作したのは「吉岡一文字」派の助光。助光は、「福岡一文字」派の流れを汲む「助吉」の子であり、一門を代表する名匠です。