「太刀 銘 光□造(伝光忠)」は、「光忠」(みつただ)の作と伝えられている1振です。光忠と言えば「備前長船派」の祖となった「長船光忠」(おさふねみつただ)が著名ですが、古備前派(こびぜんは)にも同銘の刀工がおり、古備前光忠の作、あるいは長船光忠の初期作と考えられています。
形状は鎬造り(しのぎづくり)で庵棟(いおりむね)、小鋒/小切先(こきっさき)。先幅が狭まり堂々とした姿です。鍛えは板目肌(いためはだ)で地沸(じにえ)がよく付き、地斑(じふ)映り立ちます。
刃文(はもん)は直刃調(すぐはちょう)で小乱れ、小互の目(こぐのめ)、小丁子(こちょうじ)交じり。足(あし)・葉(よう)が入り、小沸が厚く付き、砂流し(すながし)・金筋(きんすじ)が細やかに入っています。帽子(ぼうし)は小丸、茎(なかご)は生ぶ、棟寄りにある銘は「光□造」となっており、一字が不明です。
本太刀は沸がよく付き、直刃基調に小乱れ、小丁子交じるなど、古備前らしい作風となっています。出来がよく、生ぶの物は貴重です。昭和56年12月1日、重要刀剣に指定されました。