「石徹入道平貞重」とは、「平貞重/今井貞重」のこと。1891年(明治24年)愛媛県西条市生まれ。人間国宝「高橋貞次」に入門して高い技量を示し、1935年(昭和10年)に「文部省後援第1回新作日本刀展覧会」で「総裁名誉賞特選」を受賞してから、数々の受賞を果たしました。
作風は、備前伝風で、丁子乱れの焼刃が得意。隠岐神社他、多くの奉納刀を勤作し、太平洋戦争時には、小倉陸軍造兵廠(こくらりくぐんぞうへいしょう:現在の福岡県小倉市)の指定刀匠を務めました。
本刀は、1945年(昭和20年)5月、大東亜戦争が終戦する直前に制作された物。長さは万人に扱いやすいと言われた、やや小ぶりの66.4cm(2尺1寸9分)です。