本刀を制作した「高橋次平」(たかはしつぐひら)は、人間国宝「宮入昭平/行平」(みやいりあきひら/ゆきひら)第一の弟子と謳われた刀匠で、1927年(昭和2年)、長野県坂城町に生まれました。
次平は、20年以上の長きに亘り師匠の仕事を支え続け、その作風である「宮入風」を最も強く引き継いだと言われています。「宮入風」とは、「志津三郎兼氏」(しづさぶろうかねうじ)や「源清麿」(みなもときよまろ)などを研究した相州伝の作風です。また次平は、後進の育成にも尽力しました。
1989年(平成元年)、無鑑査に認定された次平は、翌1990年(平成2年)には長野県無形文化財保持者となっています。1996年(平成8年)没。享年69歳でした。