人間国宝「宮入昭平」が伊勢神宮の第60回式年遷宮御神宝奉納(しきねんせんぐうごしんぽうほうのう)において制作した作品です。
宮入昭平は本名を「宮入堅一」(みやいりけんいち)と言い、1913年(大正2年)3月17日、長野県埴科(はにしな)郡坂城町に生まれました。
1937年(昭和12年)、東京市赤坂区氷川町の日本刀鍛錬伝習所(「栗原彦三郎昭秀」[くりはらひこさぶろうあきひで]所長)に入門し、新作日本刀展覧会、陸軍軍刀展で多くの賞を受賞。
1963年(昭和38年)、50歳のときに重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
本大刀(たち)は宮入昭平が神宮式年遷宮において御神宝の大刀を制作し、奉納した際の控打ち(不測の事態に備えて打たれた予備)の作品です。
また人間国宝、宮入昭平が遷宮という刀匠最高の名誉ある仕事に向けて作刀した傑出の力作となっています。