刀工の「長船利光」は、南北朝時代に活躍した。本太刀は「嘉慶四年二月日」と銘に刻まれていることから、初代利光の作であることが鑑定される貴重な太刀です。
表裏に樋が彫られ、腰反りが美しい、雅味のある1振。刃文は小沸(こにえ)がついた優しい匂口に「小互の目乱れ」(こぐのめみだれ)を焼き、帽子は小丸へ返って品が良く、湾れ(のたれ)が穏やか。地鉄(じがね)は流れた板目肌で、映りも淡く現れて、とても綺麗。
添えられた「金梨地菊紋散蒔絵鞘金無垢総金具糸巻太刀拵」(きんなしじきくもんちらしまきえさやきんむくそうかなぐいとまきたちこしらえ)もたいへん格調が高い逸品です。