憧れの日本刀(真剣)を手に入れるなら、事前に知っておくべきことがあります。それは、日本刀(真剣)に関する法律や相場、許可が必要なのか、どこで購入し所持できるのか、などです。
信頼できるショップの見分け方についても詳しくご紹介します。一生ものの日本刀(真剣)を選ぶために、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
「日本刀が欲しい」と思ったときに、どこで購入するのが一番良いか?と聞かれれば、やはり刀剣商が経営する、専門の刀剣ショップがおすすめです。
注意したいのは、古物商許可証は持っていても、日本刀の専門知識をほとんど持たない業者です。例えば、骨董屋(こっとうや)の片隅や骨董市で日本刀を販売しているお店を見かけますが、そのようなお店は、日本刀専門のスタッフがいないことがほとんど。その日本刀の価値も分からずに、見当違いの査定をしていたり、贋作(がんさく)を見破れなかったりして、結局は消費者側が損をしてしまうことがあります。
また、オークションや通信販売など、現物を見ないで購入する場合は、要注意。サビや傷などの、日本刀の欠点を記載せずに販売する悪質な業者も存在し、問題となっているのです。
その点、日本刀についての深い専門知識を持った刀剣商の実店舗でなら、実際に日本刀を手にして購入できるので、一番安心。刀剣商の中には、さらに詳しい知識を持つ「刀剣評価鑑定士」もいます。
刀剣評価鑑定士とは、全国の刀剣商によって組織されている「全国刀剣商業協同組合」が創設した刀剣商の専門資格。その制度の趣旨は、日本刀の価値を正確に判断し、美術的な価値などの査定を行なえるだけの十分な知識や経験を有する刀剣商に、刀剣評価鑑定士資格を付与することで、刀剣商の社会的信用を担保する点にあります。
日本刀は、古物営業法上の古物(同法第2条第1項)に該当することから、法律上、営業所の所在する都道府県公安委員会から古物営業の許可を得た者(以下、古物商)であれば、取り引きが可能。つまり古物商であれば、誰でも日本刀の取り引きを行なえることから、刀剣評価鑑定士の資格制度を作ることによって、古物商との差別化が図られたのです。
古物商であれば、日本刀の取り引きを行うことはできますが、必ずしも正確な日本刀の評価・査定ができるとは限りません。もし、不正確な評価・査定が行われた場合、刀剣商全体への信頼が揺らぎかねず、ひいては刀剣商の社会的地位が不安定になってしまうことにつながります。
そこで創設されたのが、日本刀の専門家であることを証明する刀剣評価鑑定士の資格。刀剣評価鑑定士試験の合格者に「刀剣評価鑑定士証」を交付し、日本刀の評価・査定を依頼されたときに、これを提示する制度運営上の義務を発生させることとしました。このように、顧客が安心して日本刀の評価・査定を依頼できる環境を作り出すことで、とかく分かりにくいと思われがちな日本刀の取り引きにおける透明性を確保することにもつながるのです。
現時点における刀剣評価鑑定士資格の位置付けは、民間団体である全国刀剣商業協同組合が主催した試験において、独自基準によって任意に資格認定される民間資格。国家試験合格によって得られる国家資格や、民間団体や公益法人が試験を実施し、これに合格することによって監督官庁や大臣などが有資格者と認定する公的資格とは異なっています。
業界内において、刀剣評価鑑定士の資格制度は、刀剣商としての能力が担保されていることは認められますが、社会的な認知度や評価はこれからだと言えます。まだ始まったばかりの制度ですが、将来的には、日本刀の評価・査定が行われる窓口は、刀剣評価鑑定士であるということが社会一般に認識されることが目標とされています。
刀剣評価鑑定士になるためには、刀剣評価鑑定士試験に合格する必要があります。そこで、刀剣評価鑑定士試験の概要についてご紹介します。
全国刀剣商業協同組合の理事、監事、及び理事会で任命される外部委員(第三者)で構成される資格認定委員会。
全国刀剣商業協同組合の組合員または賛助会員であって、10年以上の組合加入歴があり、かつ古物商許可証を取得後10年以上が経過していること。ただし、資格認定委員会に申請した上で特に承認された場合には受験可能。
二者択一形式の全100問(制限時間60分)。
全100問のうち、80問以上に正解すること。
受験料10,000円(テキスト代含む)。
なお、資格取得時の費用として50,000円、更新手数料(5年ごと)として30,000円が必要です。
日本刀を買おうと決めて刀剣ショップを訪れたものの、「日本刀が欲しい!」と言うだけでは、求める日本刀に出会い、満足な買い物ができる可能性は、残念ながら高いとは言えません。まずは、以下の3つを決めてから刀剣ショップに行くことをおすすめします。
日本刀には時代や流派ごとに特徴があり、人によって好みが分かれるところです。好きな刀工の名前や「古刀が欲しい」、「備前長船派の日本刀が欲しい」などを伝えると、刀剣商にも好みの日本刀のタイプが伝わり、それに沿った日本刀を薦めてもらえます。
好みのタイプを知るためにも、日本刀の見どころについて、ある程度の勉強が必要です。日本刀に関する書物を読んだり、日本刀を展示する美術館や博物館、鑑賞会等に足を運んだりして、イメージをつかんでおきましょう。
日本刀にはランクがあり、美術館や博物館に飾られるような物から、無名の刀工の作まで、価格はピンキリです。いくら出してでも買う、という場合以外、買い物の際には予算があるはず。
予算によっては、自分の理想の日本刀は手に入らないかもしれませんが、予算内で好みに近い日本刀を薦めてもらうためにも、イメージと予算は、必ずセットで伝えるようにしましょう。
イメージ、予算と同時に考えておきたいのが「日本刀を飾る場所」です。通常刀身は飾らずに保管し「拵」(こしらえ:日本刀の外装。手の込んだ装飾で、美術的価値の高い物が多い)のみを飾ります。刀身も拵も、日光と湿気が大敵です。
刀身は、湿気の少ない冷暗所に、保存用の「白鞘」(しらさや)に入れて保管。拵は、刀身の代わりに「つな木」と呼ばれる木の刀を入れて、床の間あるいは日の当たらない場所に「刀掛け」を使用して飾ります。
せっかく日本刀を購入(所持)したものの、保管する場所がない、という事態は避けたいものです。購入(所持)する前に、日本刀をきちんと保管できるような場所を確保しましょう。
日本刀をはじめとする古美術品は、贋作が非常に多い物です。また、最も価値の高い日本刀とは、作られたときの状態を保っている(健全)物ですが、古い時代の物程、疵(きず)等の変化が多く、それが価格にも反映するために、その見極めが重要となります。
疵はほとんどの場合、日本刀の価値を下げる物です。疵によっては、美観を損なうだけでなく、そこから折れてしまう恐れもあります。たとえ名工の作であっても、大きな疵のある日本刀は、購入をおすすめしません。
一般的に、日本刀は「刃区が深いのは健全な証拠」とされています。研ぎすぎて薄く、細くなりすぎてしまい、刃区が少なくなっているような日本刀は、健全とは言えません。特に刃区がなくなっているような物は、購入しないほうが良いでしょう。
刀剣商から購入するほとんどの日本刀には鑑定証が付いており、刀剣商が保証しているので、まず問題ありません。素人目に贋作を見抜くことはまずできませんが、少しでも「おかしい」と感じたら、遠慮なく質問し、納得できなければ、購入は見合わせましょう。
刀剣商や刀剣評価鑑定士がいるお店では、古い刀剣・日本刀を販売する以外に、日本刀に関する様々な相談に乗ってくれるところがほとんど。刀剣ショップは日本刀愛好家にとって、心強い味方です。
刀剣商や刀剣評価鑑定士がいるお店では、古物だけではなく、現代作家の新作刀も扱っているところがあります。日本刀は欲しいけれど、以前に誰かが所有していた物は抵抗があるという場合には、新作刀がおすすめです。
自分好みの日本刀が欲しいと言う場合は、オーダーすることになりますが、刀工に直接注文するのは、初心者にはハードルが高い物。刀剣商や刀剣評価鑑定士に、イメージや予算等を伝えて、間に立って交渉してもらう方が、スムーズに進みます。
日本刀を購入(所持)したものの、その後の管理はどうすればいいの?というのも、最初に感じる不安のひとつ。しかし、そんなときこそ、刀剣商や刀剣評価鑑定士に気軽にご相談を。刀剣ショップなら、日常的なお手入れに必要な道具を販売しており、その方法も教えてくれます。研ぎの仲介もしてくれるので安心です。
購入(所持)した日本刀が、保存用の白鞘に入ったままで、新しく拵を作りたいという場合も、刀剣ショップによっては、注文を受け付けてくれるところもあります。
日本刀は掘出物が少ない骨董だと言われています。突然見つかった名工の作が破格で買えるなどと言ううまい話はないということを、肝に銘じておくことが大切です。友人や師匠などから日本刀を譲ってもらうという話もよく聞きますが、トラブルのもとですので、慎重に対処しましょう。
また、日本刀は購入(所持)後の管理も欠かせない物。自分でできるメンテナンス法を教えてもらえたり、研ぎに出したりといったアフターケアをきちんとしてくれるかどうかも、業者選びの大切なポイントです。
日本刀を購入(所持)する際に、まず疑問に思うのが、日本刀を所持するには、許可証が必要なのか?ということ。結論から言えば「銃砲刀剣類登録証」が必要です。
日本では「銃砲刀剣類所持等取締法第14条」の規定により、美術品もしくは骨董品として価値のある火縄式銃砲などの古式銃砲、または美術品として価値のある刀剣類は、各都道府県教育委員会(旧:文化財保護委員会)において登録しなければならないと定められています。正規の鍛錬方式によって作刀された日本刀は、すべて銃砲刀剣類登録証が必要です。
日本刀を新しく購入(所持)する場合には、銃砲刀剣類登録証がもれなく無料で付いてきます。日本刀の購入者は、購入した日から許可を得たということになり、持ち帰ることが可能です。逆に、登録証のない日本刀は「銃刀法」(銃砲刀剣類所持等取締法)違反となり、所持することはできません。
さらに言えば、登録証のない日本刀は、真剣ではなく模造刀(もぞうとう:レプリカ)の疑いがあります。購入(所持)する日本刀に銃砲刀剣類登録証が付いているかどうかは、必ず確認しましょう。
新しく日本刀を購入(所持)した人や、おじいさんなどからの形見分で日本刀を相続し、手元に銃砲刀剣類登録証があるという人は、もう1ステップ「所有者変更届出書」(名義変更)の手続きが必要となります。日本刀を取得後20日以内に、鉄砲刀剣類登録証に記載されている教育委員会へ所有者変更届出書を郵送か持参して提出します。届出に関する費用は無料です。所有者変更届出書は、どこの刀剣商にも置いてありますので、購入(所持)した場合でなくても、相談してみると良いでしょう。
遺品等で銃砲刀剣類登録証が見つからないという場合は、警察署への届出が必要です。
現物を発見した状態のままで持参します。発見した日時・場所・いきさつなどを尋ねられるだけで、登録していなかったことを咎められることはまずないので、安心して届出ましょう。届出をすると「銃砲刀剣類発見届出済証明書」が発行されます。このときの費用は無料です。
お住まいの地域の都道府県教育委員会に銃砲刀剣類登録証と所有者変更届出書を申請します。銃砲刀剣類登録証には審査が必要。「その日本刀が美術品または骨董品として、価値があるかどうか」を鑑定し、合格すると、その場で銃砲刀剣類登録証が発行されます。登録手数料は6,300円です。(2018年[平成30年]現在)。なお、所有者変更届出書の費用は無料です。
日本刀の形をしていても、日本古来の方法で作られた日本刀でなければ、合格しません。不合格になった場合は、所持できないので、基本的には警察署に廃棄してもらうことになります。廃棄の対象は刀身のみで、拵は所持しても問題ありません。
晴れて自分名義の銃砲刀剣類登録証を手にし、所持している日本刀は「美術品」として認められました。しかしながら、認められたのは、あくまでも鑑賞する美術品としてのみです。それ以外の目的で使用すると罰せられるので、注意が必要です。
ニュース等で「日本刀を所持、銃刀法違反で逮捕」と報じられた場合は「日本刀を所持」したことではなく「日本刀を持ち歩いた」ことが問題なのです。たとえ振り回さなくても、すぐに鞘から抜ける状態で持ち歩くだけで、危険行為と見なされ違反となります。持ち運ぶ際は、しっかりと梱包し、必ず銃砲刀剣類登録証を一緒に携帯しましょう。
日本刀の現物ならびに鉄砲刀剣類登録証の盗難や紛失があった場合、または保管を委託する場合等は、登録のときと同じように、警察署と教育委員会への届出が必要となります。
日本刀の価値は、10万円前後から、1,000万円を超えるものまでありますが、相場の変動を除けば、あまり左右されないと言われています。それは、日本刀には、明確なランク付けや価格の基準があるから。日本刀を入手する場合も、売りに出す場合にも気になる、価格が決められるポイントをご紹介しましょう。
ランク付けされた有名な日本刀や、人気の高い刀工流派や刀工の作品、特に現存する数が少ない刀工の銘(めい)が残っている日本刀は需要が高いため、自然と高値になります。
日本刀は作刀された年代によって、価格が大きく変動します。一般的に、古ければ古い程、価値が高くなると言えるでしょう。
大きな疵はもちろん減点の対象ですが、ごく小さな疵や割れ、サビ、刃文の出方などでも、査定額は変わってきます。この査定が一番変動しやすく、江戸時代には高い評価をされても、その後に付いた疵などで、評価が下がってしまうこともあるのです。
以上の点で高いランクとなった物でも「脇差」(わきざし)や「短刀」(たんとう)などの短い物は「太刀」(たち)や「打刀」(うちがたな)などの長刀に対して50%前後の価格です。また、拵の細工が美しく美術品として価値ある物と査定されれば、高値が付くこともあります。
日本刀は、昔から明確なランク付けが行われてきました。例えば、江戸時代には、切れ味の優れている順に「最上大業物」(さいじょうおおわざもの)・「大業物」(おおわざもの)・「良業物」(よきわざもの)・「業物」(わざもの)・「混合」(こんごう)と区別されたことが「懐宝剣尺」に記されています。
また昭和初期には、出来が良いとされる順に「最上作」・「上々作」・「上作」・「中上作」・「中作」と「日本刀工辞典」で区別されています。上位のランクになれば、それが価格にも反映され、非常に高額となるのです。
現代の日本刀は「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」(日刀保)発行の鑑定書によって、以下のようにランク付けがされています。その日本刀の真贋だけでなく、日本刀としての歴史的価値まで含めて審査された物です。ランクが低い物から高い物まで順にご紹介しましょう。
保存刀剣、特別保存刀剣は年5回程度、重要刀剣は年1回、特別重要刀剣は2年に1回審査が行われ、上記の基準に合格した日本刀に対して鑑定書が発行されます。
現代刀には、「靖国神社」(東京都千代田区)の境内で作刀された「靖国刀」(やすくにとう)も含まれます。
大陸への進出に力を注いでいた日本は、1933年(昭和8年)、高まりつつあった「軍刀」への需要に応えるため、靖国神社の境内に鍛錬所を設けました。ここで作刀された日本刀が靖国刀です。また、靖国刀作刀に従事した刀工は「靖国刀匠」と呼ばれています。靖国刀匠には、陸軍大臣より「靖」の字を冠する刀匠銘が授けられました。
靖国刀は増大した需要に対応した日本刀であったものの、総じて丁寧に作られ、優れた出来映えが特色となっていますが、多くが数十万円ほどで販売されています。日本刀としては初心者の方にも手の届きやすい手頃な価格です。
第二次世界大戦後、日本刀は武器と見なされ、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)によって作刀・所持が禁止されます。日本刀は存続の危機に直面しますが、日本側の強い働きかけにより美術品として認められ、法整備が進められるとともに作刀や個人で所有・売買することが可能となりました。
戦後の危機を乗り越えた日本刀は、その後現在まで作刀が続けられ、刀剣ブームを牽引しています。そんな現代刀匠の手による現代刀は、人を傷付けたことがないという安心感や、自分だけの1振を注文できるという特別感などから刀剣ファンの心を掴み、刀剣商でも多くの作品が数十万~百万円ほどで販売。一方、重要無形文化財保持者(人間国宝)である刀工の手による作品は百万円を超える場合もあります。
模造刀とは、日本刀を模して作られた用具のこと。そのうち「居合い」等の武道に用いられる物は「模擬刀」(もぎとう)と呼ばれます。
実際に切ることはできなくても、不用意に持ち歩くと銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)違反で罰せられることもあるので、注意が必要です。
日本刀を模して金属で作られたレプリカで、観賞用の刀と居合い等の武道に用いられる刀があります。
材質は、亜鉛合金やジュラルミン等のアルミ合金で、刃は無く「斬れない」ことが前提。銃刀法においては「刃物ではない」とされている物です。
鉄やステンレス等の鉄合金や硬質合金は、たとえ現状は刃がなくとも、研げば容易に刃ができて、殺傷に用いることができるため、違法刀剣となり、所持しているだけで銃刀法違反となります。
鋼鉄でできた「斬ることができる」本物の日本刀のこと。玉鋼(たまはがね)を原材料として日本古来の方法で作られた、焼き刃のある日本刀だけでなく、戦前に作られた軍刀や儀礼刀なども真剣です。
たとえ刃がない状態でも、少しの加工で刃が付けられるような鉄や硬質合金の物は、真剣とみなされます。
模造刀は、銃刀法で定義されている名称は「模造刀剣」(もぞうとうけん)で、すぐに鞘から抜ける状態で携帯することは禁止されています。たとえ模造刀に殺傷能力がなくても、周りに不安を与えるだけで罰則の対象となるのです。
きちんと袋に入れて、ひとめで日本刀だと分からないようであれば、運搬だと認められますので、持ち運ぶ際には厳重に梱包するようにしましょう。
よくできた模造刀と真剣を見分けるのは難しいかもしれませんが、以下のポイントを参考にしてみて下さい。
真剣の中でも日本刀には、刃に焼き刃がありますので、見分けが付きやすいです。
日本刀の原料である玉鋼は砂鉄から作られるので、日本刀に磁石を近づければくっつきます。くっつかなければ模造刀です。
真剣は、何層も折り重なってできているため、型取りしているだけの模造刀と比べると、かなりの重量があります。
模造刀は、本物の日本刀に比べて小さめに作られていることも多いので、大きさも判断の材料となります。
日本刀の愛好家は日本国内のみならず、世界中にいると言っても過言ではありません。贈り物や輸出等で、海外に日本刀を発送することになったら、どうすれば良いでしょうか。ここでは、日本刀を海外に持ち出す方法や、気を付けるべき点などについてご説明します。
国指定の文化財である国宝や重要文化財、重要美術品は、輸出が禁止されていますので、これらに該当する日本刀は、海外に持ち出すことはできません。
国宝や重要文化財、重要美術品のいずれにも該当しない日本刀は、海外に持ち出すことができ、その際は「古美術品輸出監査証明証」の発行が必要です。
「文化庁文化財部美術学芸課 調査指導係」もしくは「京都国立博物館普及室輸出監査係」に電話等で連絡。日本刀を輸出したい旨を伝え「古美術品輸出監査証明申請書」をFAXまたは郵送してもらいます。
〒 100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
TEL 03-5253-4111(内線2887)
FAX 03-6734-3821
〒 605-0931 京都府京都市東山区茶屋町527
TEL 075-541-1151
【申請書類及び必要部数】
申請された日本刀が輸出禁止品でないことが確認されれば、古美術品輸出監査証明証が発行されます。許可が下りるまでは、2週間程度です。
古美術品輸出監査証明証の有効期限は、発行日から1年以内となっており、1回の輸出に限り有効となっていますので、気を付けましょう。
一般的にはEMSなどの航空貨物を利用して郵送しますが、発送する日本刀と輸出許可証を税関に提出すれば問題ありません。
EMSなどの航空貨物は、各社制限を設けていることがあるので、事前に、日本刀を輸出先の国に郵送可能かを問い合わせましょう。
EMSは料金が安く、保険料も上限が200万円まで保証されますが、利用できる航空会社が限られています。FedExは料金がやや高めで、保険料の上限は1,000ドルまでですが、送ることができない国がほとんどないので、EMSで送ることができない場合に利用すると良いでしょう。
もしも、上記の保険料で足りない場合は、損保保険会社で、別途保険を掛けることができます。保険会社にもよりますが、数千万円の単位までカバーしていることがほとんどです。