「関ヶ原の戦い」(せきがはらのたたかい)は、歴史的に名を馳せる武将が多く活躍したことから、ゲームや小説、映画などの創作作品において、高い人気を集める合戦です。
なかでも注目を集めるのは、関ヶ原の戦いを舞台としたゲームでは、史実に基づいた展開を軸にする一方で、プレイヤーの選択によって結末が変化するのが特徴であり、「もしもあのとき、このようなことが起きていたら」と想像を実行できるのが最大の魅力です。今回は、関ヶ原の戦いをテーマにしたゲームをご紹介します。
どのゲームも、獲得した武将を仲間にして「関ヶ原の戦い」(せきがはらのたたかい)に参戦することが、メインストーリーとなっていますが、その他に自分だけの最強部隊を作成、友達との協力プレイが楽しめます。
さらに、コンピューターゲームでは期間限定イベントなども開催され、イベントでしか手に入らないレアカードや、サブストーリーなどがあるのも魅力。
実在した戦国武将達の野心や友情、また信念を貫く熱い生き方は、現代を生きる私達の心に時代を超えて魅了し続けています。ここでは、多数の武将が登場する関ヶ原の戦いを舞台としたゲームをご紹介します。
「関ヶ原 日本統一」(せきがはらにほんとういつ)は、2人で対戦する陣地取りボードゲーム。関ヶ原を中心とした日本地図を舞台に、「東軍」と「西軍」に分かれて天下取りを目指します。
プレイヤーは、東軍の「徳川家康」(とくがわいえやす)、または西軍の「石田三成」(いしだみつなり)、もしくは「豊臣秀頼」(とよとみひでより)のいずれかを選択し、相手方の大将の首を獲ればアガリです。
なお、相手の大将を倒せないままラウンドが終了してしまっても、その時点でのお城や所領による得点で勝敗が決まる仕組みになっています。
ボード上には、両陣営だけではなく「お城」、「街道」、「経済拠点」が描かれている他、動かすコマの裏には、お互いに自分にしか分からない情報が書かれてあるのが特徴です。
また、ゲームは2ターンで手札を消費しながら進行しますが、援軍の補充は運次第であり、どう転ぶか分からないところが魅力。さらに、相手へ攻撃するときにも特徴があり、所属する大名カードと軍がリンクすることによって、初めて戦うことができるため、軍だけでは戦えないのがこのゲームの面白い点です。
なお、同じ大名に属する軍を参加させれば、ボーナスで戦闘力が上昇するため、他のトランプゲーム等と同様に、同じ大名のカードを持っているかどうかが勝負の行方を握ります。相手の手の内を読むという部分では、ポーカーのような面白さがあるため、相手の動きを探りながら陣地争いを楽しみたい人におすすめのゲームです。
「戦国SAI ~関ヶ原再び~」(せんごくさいせきがはらふたたび)は、2~10人で遊べる戦国カードゲーム。プレイヤーは、東軍または西軍に分かれてゲームを開始します。自陣には、4名の武将を選出しますが、このとき「先陣」、「副将」、「総大将」が誰なのかが隠されているため、誰が敵か味方か不明となっているのが特徴。
敵と味方を見破るために「忍者札」、「攻撃札」などの札を使って、相手の「兵糧」や「戦力」を崩していき、最終的に兵力や援軍が到着しなくなり、総大将が撃破されたら勝敗が決するというのがゲームの流れです。
本作に登場する武将が使用するスキルは、その武将の逸話や偉業などに基づいているため、戦国武将に詳しいプレイヤーであれば、楽しめるだけではなく、有利に進められるのも特徴のひとつ。
なお、ゲームタイトルの「SAI」は、武将の「才」(スキル)、「采配」、「賽の目」、「戦国最後」など、あらゆる「さい」の言葉にちなんで付けられています。
「ARTDINK BEST CHOICE 関ヶ原」(あーとでぃんくべすとちょいすせきがはら)は、1991年(平成3年)にPC-98版で販売されたゲーム「関ヶ原」(せきがはら)を、2019年(平成31年)にリメイクしたPC専用ゲーム。
本作は2部構成になっているのが特徴で、まずプレイヤーは、東軍の総大将である徳川家康、または西軍の軍師・石田三成のどちらかを選択し、関ヶ原の戦いに向け準備を始めます。
第1部は、権謀術数(けんぼうじゅっすう:自分の評価を高めるため、あらゆる手段で他者を排除すること)編。関ヶ原の戦い本戦が始まるまでの1ヵ月を舞台に、日本中で外交戦を展開し、来るべき日に備えて根回をして合戦を行ないます。具体的には、「懐柔」、「脅迫」、「説得」などを全国の大名達に仕掛け、協力するように迫るのです。なお、実際に工作活動が成功したかどうかは、関ヶ原の戦い当日にならないと分かりません。
第2部の舞台は、関ヶ原の戦い本戦。第1部で集めた兵力を総動員して、天下分け目の戦いを再現。プレイヤーは、各部隊に「かかれ」、「引け」、「弁当」などの命令を与えて戦闘を指揮します。各部隊への詳細な動きまでは指示できませんが、プレイヤーが選択した徳川家康、または石田三成だけは、余裕を演出する「空弁当」や、誰かが止めてくれれば士気が上昇する「切腹」などの特殊なコマンドを選択可能です。
また、本作は史実のように戦闘の途中で裏切る武将や、遅刻してくる武将が現れるのも特徴のひとつ。戦いが終わると、史実さながらの「論功行賞」(ろんこうこうしょう:功績の有無や大きさの程度を調べ、 それに応じてふさわしい賞を与えること)が行なわれるため、リアルな戦国シミュレーションゲームが好きな人におすすめのゲームです。
「信長の野望」(のぶながのやぼう)は、戦国の英雄達が数多く登場し、天下統一を目指していく大人気のゲームシリーズ。
「信長の野望・創造 with パワーアップキット」(のぶながのやぼうそうぞううぃずぱわーあっぷきっと)は、信長の野望30周年を記念して2013年(平成25年)に制作されたゲームで、本作には関ヶ原の戦いを舞台にしたシナリオが追加されました。
信長の野望シリーズのなかでも、シナリオ及び、登場武将数は過去最大級。これまでのシリーズで登場した武将を合わせて、総勢1,800人以上が登場します。
また、本作では「織田信長」(おだのぶなが)の誕生前の時代を描いたシナリオの他、クエスト(任務)式のイベント「戦国伝」(せんごくでん)に多数の新クエストを追加。戦国伝の追加クエストは、特定のお城を支配下に置いたり、特定の大名と親交を深めたりすることで発生し、クエストを達成すれば、自陣に有利なイベントが展開します。
本作での改良点は、より細かな領土運営ができる内政コマンドの拡大、及び多面作戦を可能にする配下軍団システムの導入。こうした改良によって、さらに大規模で迫力ある合戦が楽しめるようになりました。
「関ヶ原演義」(せきがはらえんぎ)は、関ヶ原の戦いを舞台にした戦国ソーシャルカードバトルRPGです。プレイヤーは、名もない一浪人として関ヶ原の戦いに参戦します。
はじめに、徳川家康を総大将とする東軍、または「毛利輝元」(もうりてるもと)を総大将として石田三成を中心に動く西軍のどちらに就くかを選択。
そして、物語を進めていくと有力な武将が仲間になるため、部隊を強化して合戦に挑むというのが大まかな流れです。
チュートリアル(基本的な操作方法を学ぶ)を経たあとに、無料で3回ガチャ(ランダムにアイテムを入手できるゲーム内システム)を引けるため、ここで武将を獲得できます。歴史に詳しいプレイヤーであれば、好きな武将のデータを観るだけでも楽しめるのが魅力。
また、敵や味方に短いメッセージを送れば、「礼儀ポイント」が加算されます。礼儀ポイントを100ポイント貯めると、無料ガチャに挑戦することが可能。さらに、プレイヤー同士で「同盟」を組み、協力プレイを行なうこともできます。同盟レベルを上げて、より強い勢力へと成長させることで、合戦という集団バトルを行なうことができますが、合戦は同盟ポイントの高さで勝敗が決まるため、合戦内で一騎打ちをしながら粘り強く、同盟ポイントを獲得することが何よりも重要です。
なお、そこで勝てなくても、敵の守備兵士数を減らすことができれば、自軍の同盟ポイントは上がっていくため、次回以降に勝つこともできます。本作では自軍が危うくなった場合、もう一方の軍へ寝返ることができますが、現実の合戦と違って「裏切者」とそしられることもありませんので、安心して寝返ることが可能です。
複雑な操作は一切なく、物語の進行度も早いため、ちょっとした空き時間でのプレイでも充分に楽しめる一作となっています。