歴史が好きな女性を歴女と言いますが、歴女の中でも、古代史のロマンを感じられる遺跡「古墳」が好きな女性のことを、「古墳女子」と言います。古墳女子は、丸や四角を組み合わせた形に、かわいさや安らぎを感じており、墳丘や埴輪(はにわ)の形をしたグッズなども人気です。 「古墳女子とは」で、古墳女子について、人気の古墳も併せて見ていきましょう。
「古墳女子」とは、古代史のロマンが感じられる、古墳が好きな女性のこと。丸や四角を組み合わせた、独特なその形が「癒される」、「かわいい」などと言われ、パワースポットとしても人気を博しています。
古墳とは、3~7世紀頃にかけて造られた墳丘(ふんきゅう)のある墓のことで、天皇家や豪族など、上流階級の人物によって築造されました。現在、日本全国に確認されている古墳の数は、約16万基以上にもなり、約60,000軒とされるコンビニの数よりも、圧倒的に多いのです。
古墳の形も、四角形の「方墳」(ほうふん)、円形の「円墳」(えんぷん)、鍵穴のような形をした、「前方後円墳」(ぜんぽうこうえんふん)のようなメジャーな古墳から、「帆立貝形古墳」(ほたてがいがたこふん)等バラエティーに富んだ形があり、その独特な形が古墳女子に人気。大きさも、一辺が10mの物から、450mを超える巨大な物まであります。
古墳は上から見ると、はっきりとした形が分かりますが、実際に足を運んだときに見える形は小高い丘や森のようになっています。
このこんもりと丸い形に、何とも言えないかわいさを見出す古墳女子も多いのですが、古墳女子は、古墳の形のみならず、「埴輪」(はにわ)などの副葬品にも着目しています。
埴輪には、円筒形の物から、人や動物、家屋を象った物など様々な形があり、特に人を象った埴輪が人気。踊る人を再現したような埴輪は、愛嬌があってかわいいと、古墳女子の心を掴んでいるのです。
2013年(平成25年)に、奈良県明日香村にある「キトラ古墳」の石室が一般公開された際には、定員が3,600人のところ、16,000人の応募があり、定員を大幅に超過するほどの人気となりました。古墳に訪れる人も年々増えており、大阪府高槻市の「今城塚古墳」では、毎年古墳フェスも開催。古墳女子も増え、注目を集めているのです。
古墳女子が、古墳に実際に訪れることを「墳活」(ふんかつ)と言います。
墳活入門編として、おすすめの古墳をご紹介します。自分の好きなおすすめしたい古墳、いわゆる「推し墳」(おしふん)を見付けてみましょう。
「ナガレ山古墳」も奈良県にある古墳で、5世紀のはじめに築造されたとされる古墳。
前方部を南に向けた前方後円墳ですが、珍しいことに、左右(東西)で見た目の色や質感が違っているのです。
発掘調査により、東半分が復元され、西半分は芝で整備された姿をしており、2列の埴輪が整列した通路状の遺構は、全国で唯一の例。
なお、ナガレ山古墳は、「馬見古墳群」(うまみこふんぐん)という、全国でも有数の古墳の集積地にあり、ナガレ山古墳だけでなく、同時に16基ほどの古墳の墳活をすることができます。自分の推し墳を見付けられるかもしれません。
今城塚古墳(いましろづかこふん)は、大阪府高槻市にある前方後円墳形の古墳で、古墳全体が公園として整備された日本最大級の規模を誇る墳墓です。
公園内には、墳丘の断面図の展示や人型や動物型の埴輪が整列した、古墳築造当時の「埴輪祭祀列」を等身大レプリカで再現する等、訪れる人々を古墳時代に誘います。
なお、毎年11月に開催される、アートと古墳のフェスである「はにコット」は、古墳女子必見。古墳や埴輪の形をした「古墳グッズ」や「古墳フード」を、アーティストや出店店舗が趣向を凝らして販売しています。
他にも、誰もが一度は写真で見たことのある、大阪府堺市にある「大仙陵古墳」(だいせんりょうこふん:仁徳天皇陵古墳とも)は、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と共に、世界三大墳墓のひとつに数えられている大スケールの古墳。
大仙陵古墳は、「百舌鳥・古市古墳群」(もず・ふるいちこふんぐん)内にあり、古墳時代最盛期のエネルギーを感じたい人にとっても、墳活入門者にとっても、おすすめです。
現在では森のように生い茂っている古墳は、ナガレ山古墳の復元に見えるように、もとは盛り土と装飾によって整備されていました。現在私達が見ている姿は、悠久の時を経て変容した物なのです。
古墳の数は、全国のコンビニの数よりも圧倒的に多いため、古墳を身近に感じたことがなかった人でも、少し足をのばして古墳巡りをしてみてはいかがでしょうか。時の流れと古代のロマンを感じながら、かわいらしいその見た目に癒されること間違いありません。推し墳を見付けて、ぜひ墳活してみて下さい。