公益財団法人日本美術刀剣保存協会(以下:日刀保)は、刀剣を①「特別重要刀剣」②「重要刀剣」③「特別保存刀剣」④「保存刀剣」の4段階にランクを設定して審査し、鑑定を行っています。また、特別重要刀剣、重要刀剣、特別保存刀剣、保存刀剣の4段階に評価された刀剣には、鑑定書が発行され、これは優れた刀剣であることを示す物です。「刀剣の審査」について、手順や注意点をご説明します。
審査は期間限定になっています。郵送もしくは窓口での申請が可能です。まず日刀保のホームページで審査スケジュールを確認し、審査受け付け期間は厳守しましょう。
期日以外に届くと、審査はされずに返却されてしまうので、注意が必要です。「重要刀剣等審査」は年に1回、「特別重要刀剣等審査」は2年に1回、実施されています。
「保存・特別保存鑑定審査」は「刀剣」、「刀装・刀装具」で審査月が異なり、それぞれ年に4回のスケジュールです。さらに重要刀剣等審査の申請条件として、審査月までに「特別保存審査」に合格していることが必要。特別重要刀剣等審査の申請条件としては、審査月までに特別保存審査に合格していることが必要です。
日刀保ホームページで希望ランクの申請用紙をダウンロードし、必要事項を記入しましょう。
ダウンロードができない場合は、電話もしくはFAXで請求すれば、申請用紙を郵送で入手することが可能です。郵送及び窓口いずれでも①~④が必要です。
送付に使用した梱包材、箱類はすべて破棄されるため、桐箱やガンケース(ライフルやエアガンを安全に持ち運ぶためのケース。日本刀運搬にも代用できる)など、捨てられて困る物は使用してはいけません。
付帯させる物がある場合は、申請書に明記が必要です。梱包する際は「工芸品」と書き、「取扱注意」のシール等を貼りましょう。
日本刀の運搬を扱っていない郵送業者もあるため、事前に問い合わせをすると良いです。必ず受け付け期間内で到着するように、着日指定を利用して下さい。受け付け期間を過ぎて到着した物や、はやく到着した物は返却されてしまいます。準備ができたら、下記宛先に送付します。
〒131-0015 東京都墨田区横綱1-12-9
公益財団法人日本美術刀剣保存協会「審査係」
鑑定する刀剣が上記宛先に到着すると、メール、手紙・はがき、もしくは電話などのいずれかで連絡が来ることになっています。
窓口申請の場合、審査受け付け期間の午前10時~午後4時が受け付け時間です。場所は日刀保が運営する刀剣博物館の1階講堂になります。
まず、申請用紙を受け付けに提出し、そのあと名前が呼ばれたら、審査物件や登録証原本等を提出します。受け付け時に審査料の支払いは不要です。受け付け終了後に引換券が渡されるので、保管して下さい。
審査終了後、結果通知書が郵送で届きます。結果通知書に記載されてるのは、「審査料金」と「返却開始日」です。刀剣の返却は、窓口または返送いずれかでの引き取りになります。
審査料、引換券(送付申請した場合、結果通知書の原本)を持参し、結果通知書に記載されている返却開始日以降、土曜、日曜、祭日を除く、午前10時から午後4時に引き取ります。
審査物件の返送は原則、月末1度のみです。返送手続きの締切日は月ごとに異なります。郵送料は着払いです。返却を希望される場合、以下①~④を下記あてに送付します。
〒130-0015 東京都墨田区横綱1-12-9
公益財団法人日本美術刀剣保存協会「審査係」
審査料金は審査結果によって異なり、審査後に送付される結果通知書に審査料金が記載されています。審査結果が「保留」の場合、審査料金は無料です。日本美術刀剣保存協会ホームページに料金の詳細が掲載されています。入金方法は現金書留もしくは郵便振替になります。
郵便振替口座 No.00110-3-7816
加入者名:公益財団法人日本美術刀剣保存協会
審査に合格となった物件には後日、簡易書留で証書が発送されます。約半年後になりますので、日刀保のホームページの審査スケジュールを確認しましょう。
特別保存刀剣のうち、さらに出来や保存状態が良く、国認定の重要美術品に準ずると判断される刀剣です。室町時代以降の作は在銘、江戸時代以降の作は原則として生茎在銘(うぶなかございめい)の物に限定しています。
保存刀剣の中で、より出来が良く、保存状態の良い物が選定されます。
江戸時代までに作刀された在銘、もしくは無銘でも作刀年代、国、系統が明らかな作品に限られます。美観を損なわない程度であれば多少の傷や補修は許容範囲です。 明治時代以降に作刀された刀剣の場合は、在銘で出来が良い、優れた刀剣であれば、保存刀剣に選ばれます。