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銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)
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銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法) 銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)
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「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)は、銃砲や刀剣類などの所持・使用等に関して、人に危害が及ぶ事態を防止する上で必要な規則について定める法律です。1958年(昭和33年)3月10日に公布され、同年の4月1日に施行されました。この銃刀法により、日本では刀剣類を所持することはできません。ただし、「美術品」として認められている日本刀に限り、自分名義の「銃砲刀剣類登録証」(登録証)があれば所持することが可能であり、正当な理由があれば携帯することもできます。日本刀を所持する上で必ず知っておかなければならない「銃砲刀剣類所持等取締法」について詳しく見ていきましょう。

全国都道府県教育委員会への銃刀類登録
刀剣類の購入や譲渡・相続の際には、名義変更届を教育委員会に提出します。お住まいの地域からお探し下さい。

銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)の概要

「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)は第1条から第37条まであり、法律の趣旨や「銃砲」・「刀剣類」の定義、所持の禁止、輸入の禁止、譲渡・譲受等の禁止、また所持の許可・申請、許可の基準、携帯の禁止、そして罰則などについて、詳細に記されています。

銃砲や刀剣類はもともと武器であり、人に危害を加える恐れがあるため、これらの所持・携帯を規制する法律が定められているのです。この記事では、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)に関して、刀剣類に焦点を絞って取り上げていきます。

銃刀法が定める刀剣類とは

銃刀法における刀剣類とは、刃渡り15cm以上の刀・薙刀、刃渡り5.5cm以上の、合口(あいくち)及び45度以上に自動的に開刃する飛出しナイフを指し、法令によって職務のために必要とする場合などを除き、原則として所持は禁止です。

また、銃刀法の第22条では、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない」として、携帯することも禁止しています。これに違反した場合は、2年以下の懲役または300,000円以下の罰金に処せられることとなるのです。

銃砲刀剣類所持等取締法における日本刀の扱い

刃長が60cmを超える「太刀」(たち)や「打刀」(うちがたな)などの日本刀は、当然この銃刀法が定める刀剣類に該当し、所持禁止の対象となっています。刃長30cm以下の「短刀」でも銃刀法の規制を免れることはありません。

では、なぜ愛刀家の方や、近年の日本刀ブームによって深く興味を抱いた新しいファンの方であっても日本刀を所持することができるのでしょうか。それは、日本刀が武器である一方で、大切に受け継いでいくべき美術品や骨董品という一面もあり、これが重視されているからです。

美術品もしくは骨董品としての価値が認められた日本刀は、銃砲刀剣類所持等取締法第14条に基づき、各都道府県教育委員会によって登録され、「銃砲刀剣類登録証」(登録証)が交付されます。この登録証は日本刀1振1振に付属するもので、登録証のある日本刀は所持することが可能なのです。なお、各都道府県の公安委員会が発行する「刀剣類所持許可証」がある場合は登録証がなくてもかまいません。

日本刀を所持するためには

銃砲刀剣類登録証は、日本独自の製法によって鍛えられ、焼き入れを施されていることや、美術品にふさわしい健全な刀身であることなどの条件をクリアした日本刀だけに交付されます。

日本刀の専門店である「刀剣商」(刀剣店・刀剣ショップ)で購入した日本刀には必ず登録証が付いてきますので、新たに入手したときには購入日から20日以内に、登録証に記載された都道府県教育委員会へ「所有者変更届」を提出しましょう。

登録証のある日本刀を相続・譲受した場合も同じです。自宅を片付けていたら日本刀が見つかったときなど、日本刀に登録証が付随していなかった場合は、最寄りの警察署へ連絡し、「銃砲刀剣類等発見届」(発見届)を提出して下さい。

すみやかに連絡すれば、登録証のない日本刀があったとしても警察から咎められることはありません。発見届を提出すると「発見届出済証」が警察で交付されますので、各都道府県教育委員会へ登録申請をします。

その後、各都道府県が開催する「銃砲刀剣類登録審査会」(審査会)を受審しましょう。審査会で美術品として認定され登録証を取得すれば、その日本刀を所持することができます。

銃砲刀剣類登録証を取得するまでの流れ

パブリネット 警察署
遺品等で銃砲刀剣類登録証が見つからない場合をはじめ、盗難や紛失、保管を委託する場合は、警察署への届出が必要です。

日本刀を携帯する場合

日本刀は基本的には携帯することが禁じられており、家など所蔵されている場所から持ち出すことはできません。ただし、正当な理由があれば持ち運ぶことができます。この正当な理由とは、刀剣商で日本刀を購入して持ち帰るとき、または売却のために持って行く場合などです。

「人に見せるため」、あるいは「短刀を護身用として」などは正当な理由にはなりませんのでご注意下さい。また、正当な理由があって携帯する際も、すぐ使用できる状態にあると銃刀法違反となります。持ち運ぶときには、に収めた上で専用の刀袋や風呂敷、ゴルフバッグ、アタッシュケースなどに入れて簡単には取り出せないようにしなければなりません。

周囲の人々に無用な不安を抱かせないためにも、日本刀を持っているとは分からないようにする必要があるのです。さらに、銃砲刀剣類登録証も一緒に持っていることは必須。コピーでは効力がないため、必ず原本を携帯して下さい。

刀剣類ではない刃物も携帯は禁止

もともと武器として作られた日本刀ですが、銃砲刀剣類登録証または刀剣類所持許可証があれば所持することができ、正当な理由がある場合に限り持ち運ぶこともできます。では、日常生活で使う道具として作られた包丁やカッターナイフなどの「刃物類」は、銃砲刀剣類所持等取締法ではどのように規定されているのでしょうか。

「刃物類」を所持する場合、登録証は不要ですが、刃体の長さが6cmを超える刃物類も正当な理由なく携帯することはできません。この正当な理由とは、「業務で使用する」、「ナイフをキャンプで使う」、「購入した店から持ち帰る」などです。

防犯・護身用などは刀剣類と同じく正当な理由にはならないのです。また「模造刀剣類」については、鉄以外のアルミ合金などを材料として刃を備えていませんが、やはり「居合道・抜刀道の稽古に使う」などの正当な理由がなければ持ち歩くことはできません。

そして刃物類や模造刀剣類も、持ち歩く際は必ずバッグやケースに収め、すぐには取り出せないようにしておくことが重要です。

  • 刀専用の携帯袋
    刀専用の携帯袋
  • ジュラルミンケースに収めた刀剣
    ジュラルミンケースに収めた刀剣

銃砲刀剣類所持等取締法の施行規則

銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)は、銃砲・刀剣類などの所持・使用に関して危害予防に必要な規則を定める法律で、国会の決議により発出されました。様々な場面での罰則まで詳細に定められているものの、日本全国で起こり得る事案の細部まで網羅(もうら)することは不可能であり現実的ではありません。

そこで、銃刀法だけではカバーできない細かな部分を補うことになっているのが、「銃砲刀剣類所持等取締法施行令」及び「銃砲刀剣類所持等取締法施行規則」です。例えば、銃刀法第24条2では、銃砲または刀剣類を所持していると疑わしき人物が不審な行動を取っていると警察官が判断した場合、その銃砲刀剣類を提示させ調べることができるとされ、さらに第24条2の第2項には、人に危害を加える恐れがあれば、これを防止するために警察官が銃砲刀剣類を一時的に保管できるとあります。

このとき、銃砲刀剣類の持ち主に対して、「銃砲刀剣類等一時保管書」を交付すると定めているのが銃砲刀剣類所持等取締法施行規則の第105条なのです。つまり、警察官が危害を防止するために一時的に銃砲刀剣類を預かるところまでは銃刀法に則って行われますが、その後の事務的な手続については施行規則に従うことになります。

また別の例として、猟銃や競技用の空気銃の練習を行う射撃場の指定については、銃刀法第9条の9にて規定。一方、射撃場指定の申請手続に関しては、施行規則の第50条に詳細が記されています。

銃砲刀剣類所持等取締法の改正内容について

銃砲刀剣類所持等取締法の改定で所持が禁止になったもの

銃砲刀剣類所持等取締法の改定で
所持が禁止になったもの

銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)が制定されるきっかけになったのは、「第2次世界大戦」後にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の指令によって日本軍の武装解除と解体を目的に定められた「銃砲等所持禁止令」です。

最初は軍事的な目的を主眼としていましたが、のちに社会情勢に沿うかたちで改正が行われ、銃刀法は治安の維持と犯罪抑止において重要な役割を果たすこととなります。

現在の銃砲刀剣類所持等取締法という名称に定められたのは1965年(昭和40年)7月15日の改正法施行時です。その後も適宜改正は行われており、近年の改正としては、2009年(平成21年)1月5日より、刃渡り5.5cm以上の剣は原則として所持が禁止となりました。

該当する剣とは、「ダガーナイフ」など刀身(剣身)の両側に刃の付いている刃物です。美術品として認められ、銃砲刀剣類登録証が交付されている「剣」はここには含まれていません。また、2021年(令和3年)6月11日に公布された改正法により、クロスボウ(ボウガン)の所持が原則禁止され、許可制となりました。

クロスボウ(ボウガン)とは、を発射する武器のひとつで、銃のように構えて放つことができるのが特徴です。クロスボウを使用した死傷事件が大きな社会問題となったことから、規制を設けるべきと判断され法律改正に至りました。

日本刀ファンには身近な法律

銃砲や刀剣類を使用した犯罪を未然に防ぐことを目的とした銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)。日本刀ファンにとっては身近な法律であると言えます。日本刀を所持すること、そして日本刀文化を受け継いでいくことを心置きなく楽しめるよう、銃刀法の重要性についてしっかりと心に留めておきましょう。

銃砲刀剣類所持等取締法における「申出制度」について

申出制度を活用するべき場合とは?

日本刀ファンにとって身近で重要な銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)は、2009年(平成21年)6月1日から改正され、「公安委員会に対する申出制度」が設けられました。「申出制度」とは、日本刀や銃砲を所持している人が下記の状況に当てはまると思われる場合に、公安委員会に対してその事実を申し出ることができる制度です。

  • 人の生命や身体に危害を加えるおそれがある
  • 公共の安全をおびやかすおそれがある
  • 自殺するおそれがある

日本刀を所持している人の言動に不安を感じたときには、すみやかに警察へ通報しましょう。なお、どのような場合であっても日本刀の所持には銃砲刀剣類登録証が交付されていることが必須です。登録証のない日本刀を所持している場合は銃刀法違反となります。

「申出制度」によって申出ができる人とは?

ただし、申し出ることができる人、つまり「申出人」には誰でもなれるわけではありません。申出ができる人は、日本刀を所持する人と下記の関係にあたる人です。

  • 家族など、同居している人
  • 近所に住んでいる人
  • 同じ職場に勤めている人

つまり、「インターネットの投稿でそれらしい人を見た」などという場合には申出をすることはできません。また、申出するべきかどうか迷った場合などには、最寄りの警察署へ問い合わせることをおすすめします。

申出の受け付け窓口と申出方法

申出先は、最寄りの警察署、交番、駐在所です。申出の方法は、電話、メール、ファックス、直接出向いて口頭で伝えるなど、いずれでもかまいません。

  • 申出人の氏名、住所、電話番号、勤務先
  • 申出の対象となる人の氏名など
  • 申出の理由・状況
  • その他、参考事項

上記について、文章または口頭で述べて下さい。申出が受理されたあとは、都道府県公安委員会が必要な調査を行い、申出の内容が事実と確認された場合は適切な処置が執られます。

日本刀は、美術館や博物館、または自宅等で鑑賞して楽しむ美術品であり、どんな場合であってもまわりの人を不安にさせないよう適切に保管・管理することが重要です。もし、身近に危険な行動を取ると思われる人がいたら、申出制度を活用するのも日本刀ファンの心得と言えます。

銃砲刀剣類所持等取締法(...
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