元禄商人シミュレーションゲーム【天下御免】(1994年〔アートディンク〕・FM TOWNS版他)。開発は都市開発鉄道シミュレーションゲームシリーズで海外でも賞を受賞するなど高い評価を得るメーカー。プレイヤーは元禄時代の大店の若旦那となって豪商を目指す。
(■ウィンドウズ 95前夜のシミュレーションゲーム)
パソコン用オペレーティングシステムMicrosoft Windows 95(32ビット)の発売をきっかけに、パソコンがより身近な存在となり、パソコンゲームのすそ野も広がります。そんな時代の前後、刀剣が登場する作品は、江戸時代の経営を題材にした新奇作の登場や、18禁アドベンチャーゲームで大いに発展します。
大人気作となった【シミュレーションウォーゲーム 信長の野望】(1983年〔光栄マイコンシステム/光栄〕・PC-8001/PC-8801版他)の開発メーカーの出身者は、退社後、新たなパソコンゲームを生み出します。
アドベンチャーRPG【抜忍伝説 翼を持った男達】(1987年〔ブレイン・グレイ〕・PC-8801版他)です。同作ではプレイヤーは、3人の元・伊賀忍者=抜忍を操作します。プレーにあたっては計4枚のディスクを使用し、1枚を基本ディスクとして、3人の主人公にそれぞれ対応したディスク3枚を入れ換えて遊ぶ独自仕様でした。「アバンダント(豊かな)ゲーム」が独自に掲げられました。
シナリオ・デザインは飯島健男(現・飯島多紀哉:パンドラボックス)です。そのあと、RPG【BURAI】(1989年〔リバーヒルソフト〕・PC-8801版他)を制作し、こちらも人気作となります。プレイヤーは光神に導かれた8人の勇士を操作し、剣を含む8つの神器を探し出して闇神と戦います。
同作ではキャラクターデザイン・原画を、人気アニメーターの荒木伸吾と姫野美智が手がけたことも話題となりました。
また、剣を武器に異世界で戦う女子高校生を操作する人気パソコンゲーム(【夢幻戦士ヴァリス】)を生んだメーカーから独立したチームは、戦国時代を舞台に織田信長に対抗するアクションゲーム【YAKSA―ヤシャ―】(1987年〔ウルフチーム〕・PC-8801版他)を制作します。
プログラミングは秋篠雅弘です。以後同チームは、騎士による竜退治を描いたドラマチックRPG【アークス】(1988年〔ウルフチーム〕・PC-8801版他)を発売しました。
時代は、西洋ファンタジーの世界観に基づくロールプレイングゲーム(RPG)が人気となっていました。物語性が重視された世界観のなかで経験値を上げて成長していく登場人物を操作して仲間と共に旅をするゲームジャンルです。
RPGが人気となるなかで、シミュレーションウォーゲーム 信長の野望の開発メーカーでは、リコエイションゲーム【大航海時代】(1990年〔光栄〕・PC-8801版他)や、歴史シミュレーションゲーム【ランペルール】(1990年〔光栄〕・PC-8801版他)など西洋を題材にした内容を手がけます。ランペルール(皇帝)では、プレイヤーはナポレオン・ボナパルトを操作して欧州全土の制覇を目指します。
その後も同メーカーは、戦国時代や幕末といった人気の高い時代以外も手がけます。
リコエイションゲーム【神々の大地 古事記外伝】(1993年〔光栄〕・PC-9801版他)や、歴史シミュレーションゲーム【源平合戦】(1994年〔光栄〕・PC-9801版他)などです。
この時期、他社からは、スーパーリアル明治維新シミュレーションを掲げた【維新開国】(1995年〔龍/イマジニア〕・PC-9801版他)と戦国シミュレーションを掲げた【家康戦旗】(1996年〔龍/イマジニア〕・PC-9801版他)なども制作されています。
歴史シミュレーションゲームが定番化されていくなかで、江戸時代の経営を題材にした新しいパソコンゲームも登場しました。
シミュレーションゲーム(SLG)【関ヶ原】(1991年〔アートディンク〕・PC-9801版他)の開発メーカーは、元禄商人シミュレーションゲーム【天下御免】(1994年〔アートディンク〕・FM TOWNS版他)を制作します。
同作のメーカーは自社最初のパソコンゲーム、都市開発鉄道シミュレーションゲーム【A列車で行こう】(1985年〔アートディンク〕・PC-9801版他)シリーズで海外でも賞を受賞するなど高い評価を得ていました(ログインベストヒットソフトウェア大賞シミュレーションゲーム賞受賞、同大賞、EXCELLENCE IN SOFTWARE AWARDS Best Strategy Program)。
天下御免では、プレイヤーはまず10の問屋(海産物、小間物、穀物、油、酒、呉服、染物、薬、紙、材木)から選択します。そしてその大店(おおだな)の若旦那となって商品を売り買いし、豪商を目指すのが一応の目的です。堅実経営や悪徳経営(密貿易)のどちらも可能で、約60年の生涯を終えるとそれまでにかかわった人達の判断によって人生の善し悪しが査定されます。
同作では、徳川綱吉(江戸幕府第5代将軍)の側用人・柳沢吉保、紀伊国屋文左衛門、大石良雄(内蔵助)、堀部安兵衛、松尾芭蕉など実名で多数の歴史上の人物も登場します。
またこの時期、SLG【GE・TEN 戦国信長伝・下天】(1989年〔GE・TENチーム〕開発・〔ホクショー〕発売・PC-9801版他)と戦国時代の著名な合戦をゲーム化した戦略SLG【戦乱】(1995年〔GE・TEN〕開発・〔ホクショー〕発売・PC-9801版他)の開発メーカーは、都市開発SLG【大江戸ルネッサンス】(1997年〔NEO-GETEN〕開発・〔ホクショー〕発売・PC-9801版他)を制作しています。
プレイヤーは徳川家治(江戸幕府第10代将軍)治世下の筆頭老中・田沼意次を操作し、将軍から命じられた江戸幕府の立て直しのために600万両を貯める課題のクリアを目指します。同作でも平賀源内など歴史上の人物が登場します。
大河歴史シミュレーションを掲げた【真説 忠臣蔵 刺客たちの七〇七日】(1995年〔ケイエスエス〕発売・PC-9801版他)も登場しました。プレイヤーは大石内蔵助を操作し、47人の赤穂浪士と共に主君の敵討ちを目指します。
当時は時代小説家・池宮彰一郎(脚本家名・池上金男)による【最後の忠臣蔵】が出版され、改めて忠臣蔵への関心が高まっていました。
1995年、パソコン用オペレーティングシステム、Microsoft Windows 95(32ビット)が発売されます(日本語版1995年11月23日発売)。ユーザーが視覚的に命令を下せるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の一般化とインターネットの普及を生み出し、パソコンがより身近な存在となります。
パソコンゲームもこのWindows95、Windows 98などに対応した時代に入ります(Googleによる日本語の検索サービスの開始は2000年、Wikipedia日本語版の登場は2001年、日本におけるインターネットの人口普及率が50%を超えるのは2002年)。
こうした時期、シミュレーションウォーゲーム 信長の野望の開発メーカーは「英傑伝シリーズ」を発表します。
三國志英傑伝、三國志孔明伝を経て、シミュレーションRPG【毛利元就 誓いの三矢】(1997年〔光栄〕・Windows版他)はWindows版対応となりました。
シリーズ第3弾となった同作は、第36作目NHK大河ドラマ【毛利元就】の放送に合わせて制作されました。プレイヤーは毛利元就の初陣から始め、安芸(現在の広島県西部)統一、西国転戦をプレーします。毛利元就逝去と言うイベント後は孫・毛利輝元をプレイヤーは操作し、本能寺の変の直後に羽柴(豊臣)秀吉を毛利輝元が討ったと設定する架空の物語世界を体験します。
同シリーズは、第4弾としてシミュレーションRPG【織田信長伝】(1998年〔光栄〕・Windows版他)が続きました。ゲーム内では本能寺の変以後も織田信長は生き、同作も歴史のif(もしも)を楽しむ内容となっています。
開発メーカーはこの時期、【月刊 ダ・ガマ】を発刊(1996~1997年)。同紙では作家・井沢元彦が「信長の野望 海翔ける覇王」を連載しています。連載は単行本化の際【織田信長伝 覇望の日本編】と改題されました(1998年)。
1980年代後半、パソコンゲームにおけるRPGは独自に発展します。
男性戦士を主人公としたRPG【カオスエンジェルズ】(1988年〔アスキー〕・PC-8801版他)、男性戦士を主人公としたアドベンチャーゲーム【ランス 光をもとめて】(1989年〔アリスソフト/チャンピオンソフト〕・PC-8801版他)、ヤマト・タケルを主人公としたRPG【ドラゴンナイト】(1989年〔エルフ〕・PC-8801版他)、男性戦士を主人公としたRPG【闘神都市】(1990年〔アリスソフト/チャンピオンソフト〕・PC-9801版他)など、成人を対象とした美少女が題材となります。
この時期、剣術を得意とする美少女が主人公のRPGも制作されます。
舞阪洸(レッドカンパニー)原作によるRPG【プリンセス・ミネルバ 姫のわがまま大冒険】(1992年〔リバーヒルソフト〕・PC-9801版他)では、プレイヤーは剣術を得意とする王女と8人の女性親衛隊を操作し、女性をさらってはモンスターに変えてしまう女性魔術師の討伐を目指します。
成人向けRPGが発達したのと同じ頃、「育成シミュレーションゲーム」を謳ったパソコンゲームが登場します。
キャラクター育成シミュレーションゲーム【プリンセスメーカー】(1991年〔ガイナックス〕開発・〔ゼネラルプロダクツ〕販売・PC-9801版他)では、プレイヤーはかつて魔王から国を救った勇者となり、戦争孤児となった娘をプリンセスとして8年間育て上げます(マルチエンディング)。途中イベントとして、武闘会かミス王国コンテストの選択があります。
同ゲームは、原案・原画・作画監督を手がけた赤井孝美が、シミュレーションウォーゲーム 信長の野望が大好きだったことから着想されたと言います。
同ジャンルは以後、人気シリーズとなる後発作品を生み(1992年ジャパンホームビデオ発売【卒業 Graduation】など)、新しいゲームジャンルとなりました。
この育成シミュレーションゲームのジャンルでも、明快に刀剣が現れる作品が登場します。
学園忍者育成シミュレーションゲーム【あやかし忍伝 くの一番】(1997年〔ゼロシステム〕開発・〔翔泳社〕発売・Windows95版他)、育成シミュレーションゲーム【快刀乱麻】(1997年〔ALLPOWERFUL〕開発・〔イマジニア〕発売・Windows95版他)などです。
前者ではプレイヤーは国立姫百合学園に入学した女性忍者を操作、後者ではプレイヤーは江戸時代が模された時代で剣術道場を父から引き継いだ若き剣士を操作、両作共に女性忍者を育成します(マルチエンディング)。
1992年、パソコンのソフトウェアの業界団体による18禁のシールが作成されています。
その後、育成シミュレーションゲームで生じた描写規制を端緒にR指定(15歳未満販売禁止)も設けられことにもなりました(1994年)。
その頃、正統派のシミュレーションRPG【ファーランドストーリー】(1993年〔TGL〕・PC-9801版他)を人気シリーズとしたパソコンゲームのメーカーは、江戸時代をモチーフに刀を武器とするよろず屋の少年を主人公とするRPG【あっぱれ伝―伏龍の章―】(1995年〔TGL〕・PC-9801版他)や、百地丹波の娘である修業中の女性忍者を主人公とするRPG【戦国美少女絵巻 空を斬る!!】(1998年〔TGL〕・Windows95版)を発売します。
これらの作品を発表したメーカーから独立した面々(原画を手がける山本和枝など)は、18禁のRPGを手がけます。
長剣を武器とする男性騎士を操作するシミュレーションRPG【キャッスルファンタジア 聖魔大戦】(1998年〔Studio e.go!〕・Windows版)、ナイフを武器とする男性モンスター・ハンターを操作するシミュレーションRPG【メンアットワーク!】(1999年〔Studio e.go!〕・Windows版)は共にシリーズ化され、刀剣を使用するキャラクターも増加します。
悪霊を退治する剣術使いの男子学生を操作するRPG【IZUMO 零】(2001年〔Studio e.go! 〕・Windows版)はシリーズ化され、シミュレーションRPG化もされました。
その後も、刀や弓を武器とする神社の巫女を仲間に妖怪退治を行う神主見習いの男性を操作する巫女さんタクティカルSLG【夏神楽】(2003年〔Studio e.go!〕・Windows版)、架空の日本の戦国時代に召喚された刀剣を武器とする青年を操作するリアルタイム戦略SLG【トキノ戦華】(2009年〔Studio e.go!〕・Windows版)などを発売しました。
この時期は他に、18禁のスペクタクルファンタジーRPG【戦女神】(いくさめがみ:1999年〔エウシュリー〕・Windows版)なども発売されています。プレイヤーは、かつて女神との戦いで勝利するも、その倒した女神の体を借りることで生き延びた男性剣士を操作し、襲ってくる魔神らと戦っていきます。
18禁のパソコンゲームは、アドベンチャーゲームで大きく発展します。
柳生十兵衛の命を受けた女性忍者・蘭丸を操作するアドベンチャーゲーム【蘭丸 LAM-MAL】(1992年〔フェアリーテール〕・PC-9801版他)、戦士の青年を操作するRPG【ロマンスは剣の輝き】(1995年〔フェアリーテール〕・Windows版他)などの18禁作品を発表していたメーカーから独立した組織からは、18禁のSFアドベンチャーゲーム【この世の果てで恋を唄う少女YU-NO】(1996年〔エルフ〕・Windows版他)が登場します。
プレイヤーは歴史学者の息子を操作し、亡くなった父の残した謎を解いていきます。「現世編」を終えると「異世界編」が始まり、剣を武器とする冒険譚が展開されます。
企画・脚本・ゲームデザイン・総合プロデュースは、剣乃ゆきひろ(菅野ひろゆき)です。
また、物語がテキスト(文字)で進行されるテキストアドベンチャーと呼ばれるゲーム形式は、独自に「ビジュアルノベル」の呼称も生み出します(1992年チュンソフト【弟切草】)。
他のジャンルに比較して容易に制作しやすいこのビジュアルノベル形式(そのほとんどがマルチエンディング)では、新興のゲーム会社も多く現れ、刀剣が登場する作品も数多く制作されます。
18禁のLeafビジュアルノベルシリーズ(1996~1997年〔Leaf/アクアプラス〕【雫】【痕】【To Heart】)をヒットさせたメーカーは、18禁のアドベンチャーゲーム+シミュレーションRPG【うたわれるもの】(2002年〔Leaf/アクアプラス〕・Windows版他)を制作します。
プレイヤーは、記憶を失い外すことのできない仮面を付けた男性を操作し、命を救ってくれた娘の村の平和のために戦います。仲間には武人を従えます。ゲーム内の世界観は、アイヌ文化をモチーフにした戦国時代の設定となっています。
18禁の伝奇活劇ビジュアルノベル【Fate/stay night】(2004年〔TYPE-MOON〕・Windows版他)も制作されます。同作ではプレイヤーは魔術師見習いの少年を操作し、サーヴァントと呼ばれる英雄の魂(英霊)のなかでも、西洋剣を武器とするセイバー(剣使い)を使って聖杯戦争を制すことを目指します。
刀剣が登場する18禁のアドベンチャー(ADV)ゲームを複数制作しているメーカーもあります。
荒唐無稽スーパーロボットADV【斬魔大聖デモンベイン】(ざんまたいせいでもんべいん:2003年〔ニトロプラス〕・Windows版他)、本格剣劇浪漫 ADV【刃鳴散らす】(はなちらす:2005年〔ニトロプラス〕・Windows版)、スラッシュダークADV【装甲悪鬼村正-FullMetalDaemon MURAMASA-】(そうこうあっきむらまさ:2009年〔ニトロプラス〕・Windows版)の18禁の作品は同一メーカーによって制作されました。
斬魔大聖デモンベインでは、プレイヤーは男性の三流私立探偵を操作。魔術の力によって鬼械神(デウス・マキナ)に乗り込み、犯罪結社と戦います。戦闘では武器としてバルザイの偃月刀(えんげつとう)を召喚します。
刃鳴散らすでは、プレイヤーは刀を武器とする男性の古流剣術の使い手を操作。かつて道場主争いの際、不遇なかたちで敗れることになった兄弟子を倒すために生き続けます。
装甲悪鬼村正では、プレイヤーは非公式の警官を称する男を操作。村正と名乗る武装兵器・劔冑(つるぎ)をまとい、連続殺人犯を追い詰めます。村正と一体化する際、「鬼に逢うては鬼を斬り、仏に逢うては仏を斬る」を口にします。
2000年前後、ボーイズラブ(BL:男性同士の恋愛)を題材にしたパソコンゲームが複数登場します。
恋愛シミュレーションゲーム【BOY×BOY 私立光稜学院誠心寮】(1999年〔キングレコード〕・Windows版他)、育成シミュレーションゲーム的な側面を有する恋愛シミュレーションゲーム【隠れ月】(2000年〔Alice Blue/チャンピオンソフト〕・Windows版他)、18禁となる恋愛シミュレーションゲーム【好きなものは好きだからしょうがない!!】(2001年〔プラチナれーべる/ソフパル〕・Windows版他)、ボーイズラブアドベンチャーゲーム【Fragrance Tale】(2001年〔TAKUYO/拓洋興業〕・Windows版他)、18禁となる恋愛シミュレーションゲーム【王子さまLV1】(2001年〔Alice Blue/チャンピオンソフト〕・Windows版他)などです。
刀剣が必須となっている18禁のBL作品も制作されます。
ボーイズラブADV【SILVER CHAOS】(2002年〔Vivid Color〕・Windows版他)では、プレイヤーは剣士を目指す孤児院出身の少年を操作し、同じ境遇で魔術師を目指す幼馴染の少年と生じる運命を選択していきます。
ボーイズラブRPG【Angel’s Feather】(2003年〔BlueImpact/Studio e.go!〕・Windows版他)では、プレイヤーは白い翼の一族と人間との間に生まれた刀剣を武器とする少年を操作し、男子校に通うクラスメート達と交流しながら親の敵討ちとなる黒い翼の一族に立ち向かいます。
ボーイズラブADV+戦闘シミュレーションRPG【帝国千戦記】(2004年〔郎猫儿/ウィル〕・Windows版他)では、プレイヤーは三国志をモチーフにした時代を生きる青年を操作し、武人などの協力者を得て兄の敵討ちや圧政を強いる帝国に立ち向かいます。
【星の王女】(2003年〔美蕾〕・Windows版)が、18禁の乙女ゲーム(女性向け恋愛アドベンチャーゲーム)の最初ともされます。
18禁のシリーズ3作目【星の王女3―天・地・人の創世記―】(2004年〔美蕾〕・Windows版)では、プレイヤーは神代の世界に入り込んだ女子大学生を操作し、男性神達と過ごすなかで対立する闇の神との争いに巻き込まれていきます。
平安時代を舞台にした18禁のシリーズ5作目【星の王女―宇宙意識に目覚めた義経―】(2007年〔美蕾〕・Windows版)では、プレイヤーは双子の兄である源義経を殺された女性を操作します。兄に代わって武蔵坊弁慶や藤原秀衡の家臣らを味方にし、敵討ちと源氏再興に取り組みます。
2000年代に入ると、日本美少女ゲーム広告賞(2002年度~2007年度)、美少女ゲームアワード(2006年度~、2009年度から萌えゲーアワードに改称)などが創設されます。これらの賞にも刀剣が登場する18禁の作品があります。
妄想満載 煩悩爆発 純愛歴史アドベンチャーゲーム【恋姫†無双〜ドキッ☆乙女だらけの三国志演義〜】(2007年〔BaseSon/ネクストン〕・Windows版他)では、プレイヤーは異世界に飛ばされた少年を操作し、三国志演義の登場人物が女性となった面々と三国統一を目指します。
同作は複数の賞を受賞しました(日本美少女ゲーム広告賞2006年度最優秀広告賞、美少女ゲームアワード2007ニュージャンル賞大賞及びベストキャラクター賞大賞)。
武士娘恋愛アドベンチャーゲーム【真剣で私に恋しなさい!】(2009年〔みなとそふと〕・Windows版他)では、プレイヤーは武術を重んじる学園に通う少年を操作し、武術に長けた女性同級達との学園生活を楽しみます(萌えゲーアワード2009年度大賞部門銀賞)。同作は以後、人気シリーズとなり、のちに日本の戦国時代版も制作されています(2013年)。
侵蝕世界学園伝綺アドベンチャーゲーム【11eyes -罪と罰と贖いの少女-】(2008年〔Lass/ラズエル〕・Windows版他)では、プレイヤーは施設育ちなど複雑な過去を持つ少年を操作し、5振りの妖刀を所有する陰陽師の少女らと共に、黒騎士と名乗る異形の敵の打倒を異世界で目指します(美少女ゲームアワード2008主題歌賞金賞およびBGM賞銀賞)。
武士娘恋愛アドベンチャーゲーム【真剣で私に恋しなさい!】(2009年〔みなとそふと〕・Windows版他)では、プレイヤーは武術を重んじる学園に通う少年を操作し、武術に長けた女性同級達(武士娘)との学園生活を楽しみます(萌えゲーアワード2009年度大賞部門銀賞)。
他にも刀剣が登場する18禁アドベンチャーゲームは数多く制作されています。
超王道学園アドベンチャーゲーム【マブラヴ】(2003年〔アシッド/アージュ〕・Windows版他)では、プレイヤーは男子学生を操作し、突然同居することになった転校生の女子学生を含む学園物をプレーします(EXTRA編)。彼女は常に宝刀を帯刀しています。EXTRA編をクリアすると並行世界(ある世界と分岐するもうひとつの世界)が展開され、主人公は人型ロボットに乗り込んで地球外生命体と戦うことになる物語をプレーします(UNLIMITED編)。
2005年には、複数の18禁アドベンチャーゲームで日本刀が登場します。
恋愛アドベンチャーゲーム【魂響―たまゆら―】(2005年〔あかべぇそふとつぅ〕・Windows版他)では、プレイヤーは霊能力者の男子大学生を操作し、大刀を武器とする義理の妹と共に、実の妹の敵討ちとなる鬼退治を行います。
学園青春恋愛伝奇バトルアドベンチャーゲーム【あやかしびと】(2005年〔propeller/ウィル〕・Windows版他)では、プレイヤーは人妖と呼ばれる異能者の男子学園生を操作し、人妖を巡るバトル世界を生きます。学園に通う女性の先輩・一乃谷刀子は日本刀が武器です。
強気っ娘攻略アドベンチャーゲーム【つよきす】(2005年〔きゃんでぃそふと〕・Windows版他)では、プレイヤーは男子学園生を操作し、5人の女子学園生との学園生活を楽しみます。そのうち主人公の従姉で同居する風紀委員長・鉄乙女は常に日本刀を手に学園の風紀を取り締まります。
戦国時代を題材にした18禁アドベンチャーゲームも登場します。
本格戦国シミュレーションアドベンチャーゲーム【戦極姫〜戦乱の世に焔立つ〜】(2008年〔げーせん18〕・Windows版他)では、プレイヤーはすべて女性化された40名以上の戦国武将から1人を選び、その架空の男性軍師となって天下統一を目指します。同作は人気シリーズとなっています。
恋する姫武将学園アドベンチャーゲーム【桜花センゴク~信長ちゃんの恋して野望!? ~】(2010年〔アプリコット/コミック〕・Windows版他)では、プレイヤーは現代を生きる貧乏男子学生・明智光秀を操作。その名前ゆえに編入することになった戰獄学園で、女性化されて現代に生まれ変わっていた織田信長など姫武将達と共に学園天下統一を目指します。
騎士娘とのイチャラブ学園恋愛アドベンチャーゲーム【恋騎士 Purely☆Kiss】(2011年〔エフォルダムソフト/あかべぇそふとつぅ〕・Windows版他)では、プレイヤーは騎士育成学園に入学した男性を操作します。学園で新設された騎士団見習いの集団で、女性だらけのなか男性ひとりの存在として修業を積み、子供の頃に騎士に憧れるきっかけとなった事件解決に望みます。
同年、少女騎士恋愛アドベンチャーゲーム【ワルキューレロマンツェ 少女騎士物語】(2011年〔リコッタ〕・Windows版他)も続きました。プレイヤーは元・天才騎士で現在は騎士補佐を務める男子学生を操作します。学園の女性達との交流を通じ、事故によって失われた騎士への夢を取り戻していきます。
恋愛アドベンチャーゲーム【千恋*万花】(2016年〔ゆずソフト〕・Windows版他)では、プレイヤーは剣道部の少年を操作し、神刀を折ったことで明らかになっていく町の伝説にクラスメートの巫女らと挑みます。
同年他には、恋愛アドベンチャーゲーム【千の刃濤、桃花染の皇姫】(せんのはとう、つきそめのこうき:2016年〔葉月/オーガスト〕・Windows版他)では、プレイヤーは戦争によって記憶をなくし現在は花屋に勤める剣客の武人を操作し、特殊な刀と共にヒロイン(帝位継承者であり武人並みの技術を有する)の敵討ちに向き合います。
Microsoft Windows 95の発売をきっかけにすそ野が広がったパソコンゲーム。刀剣が登場する作品も広がりをみせ、18禁アドベンチャーゲームで大いに発展しました。