ソーシャル戦国カードバトルゲーム【戦国コレクション】(2010~2019年〔コナミデジタルエンタテインメント〕・モバゲータウン→Mobage)。プレーヤーはお気入りの戦国武将(戦神カード)を入手。彼・彼女らを合成・進化させ、天下の大将軍の座を目指す。主に美少女化された武将の絵柄は人気イラストレーターが手がけ、声を人気声優が担当。テレビアニメ化もなされた。【ドラゴンコレクション】を発展させたカードゲーム仕様はスマホゲームの発展に大きな影響を及ぼす。
(■キャラクター課金と刀剣)
1990年代に普及が始まった携帯電話は、2000年代初頭に登場したスマートフォンによって新たな時代を迎えます。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使用するソーシャルゲーム(ソシャゲ)と、端末ごとにアプリケーション(アプリ)をダウンロードするスマホゲームの登場です。やがて課金方式が月額から個別へと移行し、有料ガチャと呼ばれるアイテム課金へと発展。カードバトル形式、擬人化、中国発が特徴となり、刀剣が登場する作品も準じます。
2004年、ウェブサイト上における会員制の交流サービスであるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が日本で普及し始めます(GREE、mixi)。家庭用ゲームでは据え置き型から携帯型へと比重が移行し始めた時期でもあり、新たな携帯電話ゲームサービスも始まります(2006年DeNAのモバゲータウン=現Mobage、2007年のモバイル版GREEとmixiモバイル)。
時代はまだスマートフォン(スマホ)普及以前で、ガラパゴスケータイ(ガラケー)やフィーチャーフォンとも呼ばれることになるボタン式の旧式携帯電話が一般的でした。
こうしたなかで登場した釣りゲーム【釣り★スタ】(2007年~〔GREE〕・モバイル版GREE)の人気によって、基本プレーは無料、ゲームをより有利にするためにはアイテム課金(*有料ガチャ)が必要という形式が発展することになりました。同作はまた、ユーザー同士の交流も不可欠で、ゲーム自体もユーザーの声を反映して形成されていくという仕様も併せて、このスタイルがのちにソーシャルゲーム、通称ソシャゲの原点とみなされます。
新たな携帯電話ゲームサービスが始まった当初から戦国時代が題材となります。
プレーヤー同士が戦う、お宝バトルゲーム【怪盗ロワイヤル】(2009年~〔DeNA〕・モバゲータウン→Mobage)を発展させたRPG【戦国ロワイヤル】(2010年~〔DeNA〕・モバゲータウン→Mobage)では、プレーヤーはひとりの戦国武将となります。
同作では、お宝を奪い合ったり、ユーザー同士で交流したりしながら、決闘を通じて領土拡大、天下統一を目指します。大将戦では実在の戦国武将が敵となります(織田信長、真田幸村、上杉謙信などなど)。
また、戦国スタンプラリーゲーム【ケータイ国盗り合戦】(2005年~〔サイバーマップ・ジャパン〕〔マピオン〕〔ONE COMPATH〕→〔マイネット〕・iモード/EZweb/Yahoo!ケータイ→iOS/Android)の登場で、GPS(全地球測位システム)機能を使った位置情報ゲームが普及します。
城下町育成ゲーム【しろつく】(2010~2017年〔ケイブ〕・モバゲータウン→Mobage/モバイル版GREE/mixiモバイル)では、プレーヤーは戦国時代の城主となり、城下町を育成できました。実際に訪問した土地ならではの情報もゲーム内に反映されるのが特徴でした。
なお、この時代の携帯電話ゲームは、ウェブブラウザ(インターネット上のウェブサイトを閲覧する)仕様からブラウザゲームと呼ばれます。
スマートフォンの登場(2007年iPhone、2008年Android)、スマートフォン用アプリケーション(*利用者が特性に合わせて入手するソフトで通称アプリ)のダウンロードサービスの開始(2008年App StoreとAndroid Market=現Google Play)によって携帯電話ゲームは広がりを見せます。
SNSプラットフォーム規格のオープン化が後押しされ、アプリ開発が発展します(2009年mixiアプリが2010年モバゲータウンとモバイル版GREEがオープン化)。
こうした時期、ソシャゲにカードバトル形式が導入され、キャラクター課金が加わります。キャラクターが描かれたカードを集め、進化合成させて戦うソーシャルカードバトルRPG【ドラゴンコレクション】(2010年~〔コナミデジタルエンタテインメント〕・モバイル版GREEなど)です。それまでIT系が開発の中心だったソシャゲへのゲームメーカーからの参入でした。
同作を発展させたソーシャル戦国カードバトルゲーム【戦国コレクション】(2010~2019年〔コナミデジタルエンタテインメント〕・モバゲータウン→Mobageなど)では、プレーヤーはお気入りの戦国武将を中心とした戦神カードを入手します。主に美少女化された彼女ら(織田信長・明智光秀・徳川家康・最上義光などなど)を合成・進化させ、天下の大将軍の座を目指す内容でした。武将の絵柄は人気イラストレーターが手がけ、声を人気声優が担当。さらにはテレビアニメ化もなされました(2012年)。
戦国コレクションは現在、パチスロとパチンコで楽しむことができます。
戦国コレクションの配信が始まった翌年、ソーシャル戦国カードバトルゲームが次々と登場します。
プレーヤーはお気入りの戦国武将(織田信長・徳川家康・豊臣秀吉・明智光秀・真田幸村・直江兼続・伊達政宗などなど)や姫武将(お市・細川ガラシャ・甲斐姫・稲姫などなど)のカードを手に入れて合成・進化させ、天下布武を目指すRPG【戦国キングダム】(2011年~〔ジープラ〕開発・〔GREE〕〔ポリゴンマジック〕発売・モバイル版GREEなど)や、多くの戦国武将を美少女化したカードを手に入れ合成・強化させて天下統一を目指す【戦国SAGA】(2011~2013年〔Cygames〕-2013年~〔サムザップ〕・Mobageなど)、戦国武将・三国志・ギリシャ神話でおなじみの英雄のカードを手に入れて合成・進化させ英雄王を目指す【英雄レジェンドバトル】(2011年~現在はサービス終了〔インタラクティブブレインズ〕〔Contents Creation〕・Mobage/Android/iOS)などが配信されています。
2012年、スマホの世帯普及率がおよそ50%となります(総務省調べ)。一般社団法人ソーシャルゲーム協会(JASGA)も設立され、新たに大手によるソーシャルゲームプラットフォーム「dゲーム」(NTTドコモ)も登場しています。
そんな2012年、戦国カードバトルゲームがさらに増加します。
戦国ロワイヤルにカードゲームの要素を加えた【戦国ロワイヤルENISHI】(2012年~現在はサービス終了〔DeNA〕〔イストピカ〕・mixiモバイル/Android/iOS)も制作されました。
他にも、関ヶ原の戦いをモチーフにした戦国ソーシャル育成カードゲーム【関ヶ原演義】(2012年~〔D2C〕開発・〔トライフォート〕〔アピリッツ〕発売・モバイル版GREE /Android/iOS)、短時間決戦の結果を待つだけの仕様である放置型国取りカードバトルゲーム【戦国テンカトリガー】(2012~2017年〔ガンホー・オンライン・エンターテイメント〕・iOS/Android/dゲーム)、戦国カードバトル位置ゲーム【戦国いろは】(2012年~〔シンクタンク〕・コロプラ/iOS/Android)、3人の戦国武将(織田信長・徳川家康・豊臣秀吉)から君主を選んで配下武将のカードを入手して合成・進化させて天下統一を目指すオンライン戦国箱庭ゲーム【戦国覇王伝】(2012年~現在はサービス終了〔インタラクティブブレインズ〕・Mobage/Android/iOS)などが配信されます。
美少女を題材にした戦国カードバトルゲームでは、【戦国武将姫-MURAMASA-】(2012~2021年〔シリコンスタジオ〕・Mobage/iOS/Android)、日本一の野球部を目指す【戦国ガールズナイン】(2012~2019年〔ゲームオン〕・Mobage)、学園を舞台にした【戦国女学園】(2012~2013年〔D2C〕・モバイル版GREE/Android)、ロボット化も含む【戦レジェンド】(2012~2014年〔クリーク・アンド・リバー〕・Mobage)などが制作されました。
こうしたカードバトル仕様によるキャラクター課金が普及したこの時期、SNSを使用するソシャゲと、端末ごとにアプリをダウンロードするスマホゲームとの混合時代が訪れます。
マルチプラットフォームに対応し、3Dゲーム開発に特化したゲームエンジン、Unityの3.5と4.0が2012年にリリースされ、Android出力が可能になるなど、開発技術の発展も背景にありました。
2012年以降、ターン制(交互・順番)ではなく、リアルタイムバトルゲーム仕様の戦国時代を題材にしたゲームも増加します。
リアルタイムアクティブバトルゲーム【百姫繚乱!戦国アスカ】(2012~2021年〔ORATTA〕・GREEモバイル/iOS/Android/dゲーム)では、プレーヤーは戦国武将を姫武将化したカードを入手し、合成・進化させて戦国最強を目指します。
戦国×本格リアルタイムバトルゲーム【戦国炎舞 -KIZNA-】(2013年~〔サムザップ〕・iOS/Android)では、プレーヤーは有名武将のカードを入手し、合成・進化させて合戦を勝ち抜きます。最大20人対20人のチームバトルが行えます。
リアルタイム戦国バトル【戦乱のサムライキングダム】(2014年~〔ポケラボ〕・iOS/Android)では、最大40人同時参加で戦国バトルを楽しめます。
リアルタイム戦国バトルファンタジーゲーム【戦国姫神ワルキュリエ】(2014年~〔Arc〕・dゲーム/GREEモバイル/Mobageなど)では、プレーヤーは戦の神「姫神」を進化・転生させ、名だたる武将・勇将のカードを手に入れて天下統一を目指します。
スマホの個人普及率がおよそ50%となった2015年に入ると(総務省調べ)、戦国時代を題材にしたロールプレーイングゲーム(RPG)が増加します。
歴戦の武将達と天下統一を目指すRPG【戦国やらいでか -乱舞伝-】(2015~2019年〔スクウェア・エニックス〕)や、騎兵・弓兵・槍兵からなる武将を編成して合戦に挑む3DリアルタイムバトルRPG【戦国修羅SOUL】(2015~2019年〔クリーク・アンド・リバー〕・iOS/Android)などです。
戦国修羅SOULでは、キャラクターデザインに有名イラストレーターを、キャラクターボイスにも有名声優が起用されました。同作はスマホ配信の翌年、家庭用ゲーム機PlayStation 4版と携帯型ゲーム機PlayStation Vita版でも配信がなされました。
2012年はまた、新たなゲームプラットフォーム「DMM GAMES」が本格的にスタートしています。
このPCブラウザでは、艦隊育成シミュレーションゲーム【艦隊これくしょん -艦これ-】(2013年~〔角川ゲームス〕〔C2プレパラート〕・DMM GAMES)が配信されます。プレーヤーは提督となり、美少女に擬人化された艦船「艦娘」(かんむすめ)を入手して育成します。戦闘では育成した艦娘達による艦隊を編成し、敵である怪物(深海棲艦)と戦います。
出版社傘下の開発メーカーがメディアミックスに参加した同作の登場によって擬人化ブームが起こります。
その翌年、漫画雑誌(アスキー・メディアワークス/KADOKAWA)の企画を原作とするソーシャルゲーム【城姫クエスト】(のち【城姫クエスト 極】:2014年~〔GREE〕〔AZITO〕・モバイル版GREE /iOS/Android)が続いています。プレーヤーは城主となり、美少女に擬人化された城「城姫」(しろひめ:大和郡山城、小田原城、熊本城、会津若松城、清州城などなど)を手に入れて編成し、黒き城姫と戦います。
PCブラウザ版【御城プロジェクト】(2014~2015年〔DMM.com〕・DMM GAMES)として始まった【御城プロジェクト:RE〜CASTLE DEFENSE〜】(2016年~〔DMM.com〕・DMM GAMES)では、プレーヤーは殿となり、美女性に擬人化された城郭「城娘」(しろむすめ)を手に入れて編成し、兜軍団と戦います。
PCブラウザ版【刀剣乱舞-ONLINE-】(2015年~〔CLARITY STUDIO〕開発・〔DMM GAMES〕〔ニトロプラス〕共同制作・DMM GAMES)では、プレーヤーは「審神者」(さにわ)となり、付喪神「刀剣男士」を操作して歴史修正主義者と戦います。同作では刀剣の擬人化ではなく、刀剣の付喪神の顕現(付喪神の擬人化)となっています。
これらブラウザゲームは、メディアミックス展開とスマホゲーム版の登場によって人気となります。
艦隊これくしょん -艦これ-はテレビアニメ化(2015年)、刀剣乱舞は舞台化(2015年)やテレビアニメ化(2016年)などがなされます。2016年、艦隊これくしょん -艦これ-、御城プロジェクト:RE、刀剣乱舞-ONLINE- Pocketとしてそれぞれスマートフォン対応となりました。
刀剣乱舞の原作プロデューサーである小坂崇氣(こさかたかき)、別名・でじたろうは、【機動戦士ガンダム】、【伝説巨神イデオン】、【超時空要塞マクロス】などのテレビアニメに親しみ、アニメ雑誌【月刊Newtype】(角川書店)など複数の雑誌で編集にかかわります。そして、アニメ制作会社・ガイナックスに憧れ、自ら制作会社を興しました。
最初に手がけた18禁のパソコンゲームが話題となり、以後テレビアニメやコンシューマー(家庭用)ゲームの外部制作陣からの依頼に応えて自社スタッフ(虚淵玄、Niθ、石渡マコトなど)を投入。また自社作品をメディアミックス展開していきます。
こうしたメディアミックスのノウハウに基づき刀剣乱舞もゲームと同時に、アンソロジーコミック、2種類の舞台(ミュージカルとストレートプレー)、2種類のテレビアニメ(日常系と活劇)などメディアミックスがなされました。
刀剣乱舞のPCブラウザ版開始年には、「刀剣女子」と言う言葉が「2015年ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされます。その2年後に「刀剣乱舞」の言葉そのものが「2017年ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、翌年には舞台版の俳優達(刀剣男子)が第69回NHK紅白歌合戦に出場する大人気作となりました。
PCブラウザ版の配信が開始されると、徳川美術館が脇差・鯰尾藤四郎(なまずおとうしろう)を緊急特別展示(2015年2~4月)、東京国立博物館も太刀・三日月宗近(みかづきむねちか)を展示しました(2015年5~7月)。東京国立博物館では続けて、短刀・厚藤四郎(あつとうしろう/あつしとうしろう)と太刀・獅子王(ししおう)を展示しています(7~9月、10~12月)。
同年、ゲームと美術館や博物館とのコラボレーション(共同作業)も始まります。結城蔵美館1周年記念イベントにて槍・御手杵(おてぎね)の復元とコラボ展示(2015年5月)、米沢市上杉博物館にて短刀・五虎退(ごこたい)がコラボ展示(2015年9~10月)、「丸亀市合併10周年記念 京極家の家宝」 展にて大脇差・にっかり青江(にっかりあおえ)がコラボ展示(丸亀市立資料館:2015年10~11月)などです。
スマートフォン版の刀剣乱舞-ONLINE- Pocketの配信が始まった2016年には、館初の刀剣展「ザ★刀剣 ─ 千年の匠の技と美」(東京富士美術館:2016年3~7月)や打刀・歌仙兼定(かせんかねさだ)が展示された「歌仙兼定登場」展(永青文庫美術館:2016年7~10月)なども開催。そして、コミックマーケット(通称コミケ)では徳川美術館が初出展し、鯰尾藤四郎、脇差 /短刀・物吉貞宗(ものよしさだむね)、短刀・後藤藤四郎(ごとうとうしろう)のコラボクリアファイルを販売するに至っています(国際展示場:2016年8月、12月)。
以後もコラボは増加。短刀・信濃藤四郎(しなのとうしろう)がコラボ展示された「SAMURAIの美 酒井家ゆかりの名品」 展(致道博物館:2016年10月)、「大笹穂槍 銘 藤原正真作 号 蜻蛉切(とんぼきり)」と「短刀 無銘 貞宗 名物 太鼓鐘貞宗(たいこがねさだむね)」とコラボ展示された「名刀は語る 磨きの文化」展(佐野美術館:2016年11月~2017年2月)。
打刀・山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)がコラボ展示された「今、超克のとき。いざ、足利。山姥切国広」展(足利市立美術館:2017年3~4月)、短刀・謙信景光(けんしんかげみつ)がコラボ展示された「上杉家の名刀と三十五腰」展(米沢市上杉博物館:2017年9~10月)。
そして、ゲーム内に登場する刀剣が23振登場した特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」(京都国立博物館:2018年9~10月)などでコラボがなされ、施設内にゲームキャラクターのイラストが設置されました。
「イケメンシリーズ」を謳った女性向け恋愛ソシャゲも登場します。
【イケメン大奥◆恋の園 for GREE】(2011年〔サイバード〕・GREE Platform for smartphone)では、プレーヤーは江戸城にさらわれてきた町娘となり、イケメンだらけの大奥で恋愛を楽しみます。
同作は、源平時代の登場人物(平清盛・源義朝・後白河天皇など)との恋愛を楽しむ【イケメン恋戦◆平清盛for GREE】と、男女逆転した【イケメン源氏★恋物語for GREE】の同時配信でした。
開発メーカーは以後、【新章イケメン大奥◆禁じられた恋】(2013年)、【イケメン幕末◆運命の恋】(2013年)、【イケメン戦国◆時をかける恋】(2015年)、【イケメン源氏伝 あやかし恋えにし】(2019年)などのスマホゲーム(iOS/Android)を手がけます。
なかでも、織田信長(ドS×唯我独尊)・真田幸村(俺様×ツンデレ)・顕如(非情×復讐鬼)などとしたイケメン戦国◆時をかける恋は、携帯型ゲーム機PlayStation Vita化(2016年)、舞台化とテレビアニメ化(共に2017年)、イケメン源氏伝 あやかし恋えにしは舞台化(2020年)されるなど、メディアミックスがなされました。
スマホの世帯保有率がおよそ50%となった2012年以降、刀剣ゆかりの和風のソシャゲでは乙女ゲームが急増します。主人公の女性キャラクターを操作して複数の男性それぞれとの恋愛成就を楽しむジャンルです。
女性向け恋愛シミュレーションゲーム【新選組~幕末恋物語~】(2012年〔エレメントツリー〕・iOS/Android/モバイル版GREE/Mobage)では、プレーヤーは新選組に間者と間違えられて捕虜となった女性を操作し、新選組の面々(土方歳三・沖田総司・斎藤一)と恋愛します。
制作メーカーは以後、BLゲーム【新撰組801~漆黒の薔薇~】(2013年)を制作。自社恋愛ゲームプラットフォーム&ポータルアプリ「あなカレ」もスタートし、女性向け恋愛シミュレーションゲーム【八犬伝~妖刀奇譚~】(2013年)、男性だらけの大奥を舞台にしたBLゲーム【大奥801~歪の章~】(2013年)、乙女ゲーム【幕末恋異聞~トラワレノキミ~】(2014年)などのソシャゲ、スマホゲームを配信しています。
BLゲームとは、ボーイズラブ(BL:男性同士の恋愛)を題材にしたゲームです。
2012年、スマートフォン専用恋愛アドベンチャーゲーム【スマホカレシ】(2012~2014年〔ディースリー・パブリッシャー〕発売・iOS/Android)も登場します。
スマホカレシは、複数の作品で始まります([ストーキングラブ ~略奪恋革命~]、[ヒミツの獣男子発情中!]、[戦国恋姫 時果ての契り]、[セレブの恋、誘惑のパフューム。]、[イケないことってなんですか?])。
以後も新たに「逆転吉原」、「新撰組アメイジング」も加わりました。
逆転吉原は、携帯型ゲーム機PlayStation Vita版【男遊郭】(2016年)となります。そして、戦国姫歌~時果の契り~は同名で携帯型ゲーム機Nintendo Switchダウンロード版(2018年)、新撰組アメイジングはNintendo Switchダウンロード版【新撰組アメイジング~火照る躰と恋炎~】(2018年)となり、2作共にForbidden Romanceシリーズとなりました。
これらの発売元はその間、大正浪漫を舞台にしたスマートフォン向け乙女恋愛アプリ【帝國カレイド―万華の革命―】(2017年〔エクシング〕〔オペラハウス〕)も手がけ、同作は配信の同年PlayStation Vita版、翌年Nintendo Switchダウンロード版となりました(共に〔ディースリー・パブリッシャー〕発売)。
以後も多くの開発メーカーが和風スマホ乙女ゲームを配信しています。
恋愛ドラマアプリ【天下統一恋の乱LoveBallad】(2014年~〔ボルテージ〕・iOS/Android)では、プレーヤーは弟の身代りとして城に仕えることになった町娘を操作し、戦国武将(織田信長・伊達政宗・明智光秀・真田幸村・武田信玄などなど)と命がけの恋を楽しみます(華の章)。
新章「月の章」では、プレーヤーは女性の忍びとなり、忍者(猿飛佐助・服部半蔵などなど)との命がけの恋を楽しみます。
同開発メーカーは以後、【新選組が愛した女】(2015~2018年〔ボルテージ〕・iOS/Android)、明治浪漫ファンタジー【あやかし恋廻り】(2018年〔ボルテージ〕・iOS/Android)、幕末志士との恋【幕末維新 天翔ける恋】(2021年〔ボルテージ〕・iOS/Android)などの和風の恋愛ドラマアプリを制作しています。
この時期には他に、「私」を巡る戦国恋愛ファンタジー【戦刻ナイトブラッド 光盟】(2017~2019年〔オトメイト〕〔KADOKAWA〕〔マーベラス〕・iOS/Android)があり、テレビアニメ化も同時になされたメディアミックス作です。
目覚めると戦国時代をモデルとする異世界に召喚されていた女性主人公(姫神子)であるプレーヤーの奪い合いが、豊臣軍・織田軍・上杉軍・武田軍・真田軍・伊達軍・毛利軍の戦国武将の面々によってなされます。
女性向け恋愛ゲーム【恋愛幕末カレシ〜時の彼方で花咲く恋〜】(2017年~〔フリュー〕・iOS/Android)では、プレーヤーは異世界からやってきた女性となり、新撰組や攘夷派、幕府・朝廷派などの幕末を生きた歴史上の人物との恋を楽しみます。
同作は、【BAKUMATSU】と【BAKUMATSUクライシス】のタイトルでテレビアニメ化もなされました(2018~2019年)。
恋愛幕末カレシ〜時の彼方で花咲く恋〜の開発メーカーは以後、スマホゲーム【恋愛戦国ロマネスク〜影武者姫は運命をあやなす〜】(2021年~〔フリュー〕・iOS/Android)も続けます。戦国時代にタイムスリップしたプレーヤーは、武田信玄と争う織田信長の命を受け、影武者・女信長となる架空の物語のなかで戦国武将達との恋を楽しみます。
同作は、「天下統一恋の乱 Love Ballad」×「恋愛幕末カレシ~時の彼方で花咲く恋~」、「恋愛戦国ロマネスク」×「茜さすセカイでキミと詠う」とコラボしています(共に2021年)。
異世界を舞台にツクヨミ男子達(高杉晋作・森蘭丸・夏目漱石・聖徳太子・徳川綱吉など)と出会い、太陽が昇らなくなった世界に太陽を取り戻す旅を描いた【茜さすセカイでキミと詠う】(2017年~〔ジークレスト〕・iOS/Android)は、舞台化もなされている話題作です(2020年初演)。
スマホ向けゲームアプリでは、日本発のゲームに大きな影響を受けた中国生まれのスマホゲームが人気となります(艦船を美少女に擬人化した【アズールレーン】2017年~など)。
なかでも三国志を題材にした内容が数多く日本語版化されています。
2017年には、三国志の物語に沿ってその登場人物と日本の戦国武将などを美少女化した育成系戦国フルオートバトルゲーム【放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜】(2017年~〔C4games〕開発・〔C4Connect〕配信)や、戦略シミュレーションゲーム【三国炎血伝】(2017年~〔JEDIGAMES〕)などが登場します。
以後も、戦略お手軽放置系カードゲーム【三国志・趙雲英雄伝】(2018年〔HONG KONG ICE CREAM NETWORK TECHNOLOGY〕)、三国志を題材にしたブラウザゲームをスマホゲーム化した【三十六計M】(2019~2021年〔YOOZOO GAMES〕開発)、本格三国志RPG【三国志群雄】(2021年~〔YOOZOO GAMES〕開発)などが続いています。
近年は三国志に限らない多くの英雄が登場する内容が中国発のスマホゲームの特徴となっています。
新感覚MMORPG(Massively Multiplayer Online:大規模多人数参加型オンラインRPG)【魔剣伝説】(2020年~〔4399en game〕)、歴史上の偉人や英雄を率いて戦う育成型戦略シミュレーションゲーム【インフィニティ キングダム-諸王の戦争-】(2022年~〔YOOZOO GAMES〕)などです。
ソーシャルゲームとスマホゲームは、2012年以降、日本ゲーム大賞・年間作品部門・特別賞にも入ります。
2012年は収穫体感型本格なめこ育成ゲーム【おさわり探偵 なめこ栽培キット】(〔ビーワークス〕開発・〔サクセス〕配信)、2013年は新感覚パズルRPG【パズル&ドラゴンズ】(〔ガンホー・オンライン・エンターテイメント〕)、2015年は新感覚アクションRPG【モンスターストライク】(〔XFLAG/mixi〕)です。
そして近年、日本ゲーム大賞・年間作品部門・優秀賞にも入ります。
2018年はパソコンゲームに始まる人気シリーズであるRPG【Fate/Grand Order】(〔ディライトワークス〕)、2019年は絶望を希望に変えるRPG【メギド72】(〔メディア・ビジョン〕開発・〔DeNA〕配信)。2021年は育成シミュレーションゲーム【ウマ娘 プリティーダービー】(〔Cygames〕)とオープンワールドRPG【原神】(〔HoYoverse〕)です。
Fate/Grand Order、メギド72、原神のRPGが刀剣ゆかりの作品となっています。なかでも中国発の原神は、Windowsダウンロード版とPlayStation 4ダウンロード版と同時発売のマルチプラットフォームです。
2000年代初頭に登場したソシャゲやスマホゲーム。それらのゲームではカードバトル形式、擬人化、中国発が特徴となり、刀剣が登場する作品でも準じました。その転機にはゲームメーカーと出版社が育んできた文化がありました。