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門前町 初瀬
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門前町 初瀬 門前町 初瀬
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「長谷寺」(はせでら:奈良県桜井市)は、奈良県でも人気の観光スポット。自然豊かな山間に位置しており、四季の花や紅葉を楽しめる場所としても有名です。長谷寺の繫栄と共に栄えたのが、門前町初瀬。古今和歌集で名高い「紀貫之」(きのつらゆき)の詩にも登場するほど古来より栄えてきました。今も飲食店や土産店が立ち並び、散策をしながら長谷寺へと向かうことができます。門前町初瀬と長谷寺の特徴や歴史について見ていきましょう。

門前町初瀬とは

長谷寺の門前町

長谷寺の門前町

門前町初瀬(はせ)は、奈良県桜井市東部の山間部を流れる初瀬川右岸の谷間に位置している町。

伊勢街道への分岐点でもある初瀬は、長谷寺の門前町としてだけではなく、「伊勢神宮」(いせじんぐう)への参拝客が宿泊する宿場町としても栄えました。現在もその名残として、旅館や飲食店、土産店などが多数建ち並んでいます。

門前町初瀬の特徴

門前町初瀬の特徴は、川が流れる深い谷に位置していること。川は旅館や飲食店などの店舗が密集する裏側を流れており、涼しげな風景を作り出しています。かつて船舶による運搬が主だった時代には船着場も作られました。

また、初瀬は長い谷の奥側にあることから、古くより「隠国の泊瀬」(こもりくのはせ)とも呼ばれています。

門前町初瀬の魅力

門前町初瀬の魅力は、農家型と街道型の町家が混在すること。初瀬を流れる川に沿って、様々な土地が形成され、建っている町家も異なるのです。

農家型の町家は広い敷地を持つのが特徴。間口と奥行きが広いため、土地の広いエリアに多く建っています。一方、街道型の町家は間口の幅が狭く奥行きも限定的。そのため、土地の広さが限られている場所に、建てられている傾向にあります。

なかには、間口は狭いけれど奥行きのある、農家型と街道型が混在した町家も存在。異なる建築様式を見ながら散策するのも良いでしょう。

門前町初瀬の見どころ

門前町初瀬の見どころは、「與喜天満神社」(よきてんまんじんじゃ)・「法起院」(ほうきいん)・「初瀬街道交流の館たわらや」です。

国の天然記念物に指定されている「與喜山」(よきさん)に鎮座しているのが、與喜天満神社。学問の神様として名高い「菅原道真」(すがわらのみちざね)を主祭神とする日本最古の天満神社(てんまんじんじゃ)です。鎌倉時代の「長谷寺験記」によると、菅原道真が譲り受けた地主神を、與喜山に鎮座したことが起源だとされています。また、長谷寺の地主神である「天照大御神」(あまてらすおおみかみ)が初降臨した地としても知られ、與喜天満神社は縁結びのご利益があるとして広く知られています。

法起院は天平年間に創建された寺院です。長谷寺の開祖である「徳道上人」(とくどうしょうにん)が隠居した場所だと言われており、本尊は徳道上人の合掌坐像。境内の「十三重石塔」(じゅうさんじゅうせきとう)や、触れると願いが叶うと言われている上人靴脱ぎ石(しょうにんくつぬぎいし)を拝観することができます。

初瀬街道交流の館たわらやは、初瀬街道阿保宿の「旅籠たわらや」の跡地に作られた施設。館内には、宿場として賑わっていた初瀬を物語る講看板(こうかんばん:宿泊所の目印になる看板)が、100枚近く展示されています。

門前町初瀬の歴史

初瀬の町

初瀬の町

長谷詣に加えて伊勢神宮参拝が広まると、多くの参詣客や旅客が往来する宿場町としても発達した門前町初瀬。現在の松阪市六軒から奈良県の初瀬(長谷)へ繋がる道であることから、初瀬という地名になりました。また、青山峠を通過するため、「青山越」と呼ばれることもあります。

1659年(万治2年)に大火事に遭い、1811年(文化8年)には「初瀬流れ」と呼ばれる大洪水の被害に遭った初瀬の地。1988年(昭和63年)に初瀬ダムが完成してからは、水量の調節が行われているため、大きな被害はありません。

長谷寺

長谷寺は、真言宗豊山派(しんごんしゅうぶざんは)の総本山。四季ごとに異なった種類の花が咲き誇ることから「花の御寺」(はなのみてら)とも呼ばれています。

特に、12月上旬~1月下旬に咲く寒牡丹(かんぼたん)と4月下旬~5月上旬に咲く牡丹は有名。ひと目見ようと、多くの観光客が訪れます。

長谷寺とは

長谷寺

長谷寺

長谷寺は、初瀬にある寺院で王朝文学の舞台にもなっています。長谷寺の起源についての詳細は分かっていません。686年(朱鳥元年)に、「川原寺」(かわらでら)の僧・「道明上人」(どうみょうしょうにん)が三重塔を建てたのが始まりではないかと推測されています。

境内では桜、牡丹、紫陽花、紅葉など、四季によって変わる様々な草花を楽しめる点も長谷寺の魅力です。

長谷寺の歴史

長谷寺は686年(朱鳥元年)、道明上人が「天武天皇」(てんむてんのう)の病気平癒を願って初瀬山に三重塔を建て、銅板法華説相図(どうばんほっけせっそうず)を安置したことが起源だと言われています。

平安時代には国家の庇護を受け、観音信仰の発祥地として繁栄。さらに貴族の参詣を機に、僧侶や一般武士らも訪れるようになり、長谷寺は源氏物語枕草子、更級日記(さらしなにっき)など、様々な物語にも登場するほど厚く信仰されました。

室町時代に入ると災害や戦乱などの影響で一時衰退しますが、安土桃山時代、「豊臣秀吉」の異父弟「豊臣秀長」(とよとみひでなが)によって復興。その後、真言宗豊山派の寺院として江戸幕府の保護を受けました。明治時代に火災で大講堂や三重塔が焼失してしまいますが、昭和時代に再建されています。

長谷寺の見どころ

長谷寺の見どころは、「仁王門」(におうもん)や「登廊」(とろう)、「長谷寺本堂」です。境内入り口に位置する仁王門は、1986年(昭和61年)に重要文化財に登録されている楼門。1882年(明治15年)に焼失し、1894年(明治27年)に再建されました。楼上には釈迦三尊十六羅漢像(しゃかさんぞんじゅうろくらかんぞう)、両側には仁王像が安置されています。

仁王門から本堂へ向かって進むと見えてくるのが399段の登廊。1039年(長暦3年)に春日大社の社司「中臣信清」(なかとみのぶきよ)が、子供の病気が治ったことへのお礼として建立したと伝えられています。登廊百八間と三九九段、上中下の3廊に分かれており、中廊と下廊は1894年(明治27年)に再建されました。

国宝に認定されている長谷寺の本堂は、1650年(慶安3年)に徳川幕府第3代将軍・「徳川家光」の寄進によって建立。清水寺の舞台と同様に「継ぎ手」構造で作られ、舞台の部分がせり出しているのが特徴です。内部には、重要文化財に指定されている十一面観音像(じゅういちめんかんのんぞう)や難陀龍王立像(なんだりゅうおうりゅうぞう)、雨宝童子立像(うほうどうじりゅうぞう)が安置されています。

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