刀剣ゲームでは、ボードゲーム、パソコンゲーム、業務用ゲーム(アーケードゲーム)、家庭用ゲーム、携帯型ゲーム、携帯電話ゲームなど、様々なゲームから刀剣が登場する作品を取り上げます。
ハード機器の発展と共に次々と新たなゲームジャンルが登場しますが、いつの時代も刀剣はゲームに不可欠なアイテムとなっています。
新たな三大家庭用ゲーム機の時代を迎えた2000年代初頭、国産の家庭用ゲームでは北米への志向が急速に高まります。国産の家庭用ゲーム機用と同時に海外発の家庭用ゲーム機用にも同時にソフトが発売されます。そんな時代の刀剣が登場する家庭用ゲームは、アクションゲームが優勢となり、なかでもダークファンタジー的な世界観が人気となります。
新たな三大家庭用ゲーム機の時代を迎えた2000年代、家庭用ゲーム機は据え置き型から携帯型の志向へ、ソフトもダウンロード販売の時代に入ります。国産の二大家庭用ゲーム機同士の仕様の類似も始まります。そんな時代の刀剣が登場する家庭用ゲームでは、人気シリーズ同士のコラボもゲーム機の垣根を越えて行われます。
2010年代、家庭用ゲーム機、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などを共通プラットフォームとしてソフトが開発される時代に入ります。ゲーム開発もグローバル化が当然の時代になり、情報の均質化も加速します。そんな時代の刀剣が登場する家庭用ゲームでは、従来の東洋趣味を逆手に取った内容や、外国人による間違った日本のイメージではない、外国人による本格的な時代劇を題材にした作品も登場します。
家庭用ゲームは2010年代に入り、据え置き型ゲーム機と携帯型ゲーム機の性能的な差が縮まり、ソフトも両機向けに同時発売が始まります。そんな時代、刀剣が登場する携帯型ゲームでは、パソコンゲームからの移植や17歳以上が強く意識された作品が増加し、それは乙女ゲームで顕著となります。
1990年代に普及が始まった携帯電話は、2000年代初頭に登場したスマートフォンによって新たな時代を迎えます。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使用するソーシャルゲーム(ソシャゲ)と、端末ごとにアプリケーション(アプリ)をダウンロードするスマホゲームの登場です。やがて課金方式が月額から個別へと移行し、有料ガチャと呼ばれるアイテム課金へと発展。カードバトル形式、擬人化、中国発が特徴となり、刀剣が登場する作品も準じます。
3Dを前提とした32ビットの家庭用ゲーム機時代の始まり(1994年)から、さらなる技術発展と共に時代は64ビットへと入ります。グラフィックの表現力が飛躍的に高まり、アクションゲームが人気ジャンルとなります。電子機器メーカーでもありレコード会社でもある企業が参入して手がけた、初の家庭用ゲーム機の後継機では、特に和風のアクションゲームが量産されます。
64ビット時代を迎えた国産の家庭用ゲーム機の三つ巴の均衡が崩れる頃、海外発の家庭用ゲーム機が日本国内に登場します。グラフィックの表現力が飛躍的に高まり、アクションゲームが人気となります。この海外発の家庭用ゲーム機では、国産のソフト開発メーカーは海外を意識した時代考証にとらわれない内容に取り組みます。また海外作品の多くを日本語版でも楽しめ、国産と海外との刀剣描写との違いが浮き彫りになります。
家庭用ゲーム機がCPU(中央処理装置)の高速化に伴ってグラフィック表現が豪華となっていく一方で、日本国内ではゲーム離れが起こり始めます。そこで「ゲーム人口の拡大」を目指し、老若男女向けを想定した携帯型ゲーム機が開発されます。特に教育的内容に力が入れられたその携帯型ゲーム機では、刀剣ゆかりの定番ソフトがコラボなどによって新たに蘇ります。
据え置き型の家庭用ゲーム機と同等の映像の美しさが目指された携帯型ゲーム機では、乙女ゲームが特に人気ジャンルとなります。主人公の女性キャラクターを操作して複数の男性それぞれとの恋愛成就を楽しむこのジャンルでは、戦国武将を含む幾人もの歴史上の人物が乙女によって攻略されます。
家庭用ゲーム機におけるCPU(中央処理装置)の演算処理能力は13年かけて8ビット、16ビット、32ビット、64ビットと向上します。それに伴って複雑なゲーム表現が可能になり、ロールプレイングゲーム(RPG)においては、より細やかな仕様が開発されます。アクション(動作)ゲームでは3Dを活かした視点が開発されるなど、技術進歩に伴って刀剣の存在もリアルさが増します。
32ビットの家庭用ゲーム機の登場によって3D表現が先鋭化します。伴って声優を起用したアニメーション的音声表現も高度化します。またオンラインゲームへの移行期にも入ります。新たなメディアミックス化が急速に進んだ時代、刀剣が登場するゲームでは女性キャラクターの活躍が増加しています。
各メーカーから一斉に発売された32ビットの家庭用ゲーム機。なかには電子機器メーカーでもありレコード会社でもある企業なども参入し、ゲーム業界の再編も始まります。異業種から参入したメーカーによる新しいこの家庭用ゲーム機には、多くの新興ゲーム会社がソフト開発に携わり、刀剣が登場するゲームにも新風が巻き起こります。
パソコン用オペレーティングシステムMicrosoft Windows 95(32ビット)の発売をきっかけに、パソコンがより身近な存在となり、パソコンゲームのすそ野も広がります。そんな時代の前後、刀剣が登場する作品は、江戸時代の経営を題材にした新奇作の登場や、18禁アドベンチャーゲームで大いに発展します。
CD-ROMが世界で初めて搭載された家庭用ゲーム機では、生の声が収録され、アニメーション映画のようなゲーム作りが始まります。歴史シミュレーションゲームでも同様に、アニメ映画的な演出が導入されます。家庭用ゲーム機のハードの高性能化は機器の高額化を生み、そのゲーム内容は子ども向けからやがて大人向けが意識されます。
業務用ゲーム機(アーケードゲーム機)のメーカーも1980年代に入ると家庭用ゲーム機の開発を手がけます。ワンコインで遊ぶアーケードゲームに対し、長時間遊べる家庭用ゲームでは、ロールプレイングゲーム(RPG)が発展します。刀剣が不可欠なジャンルです。老舗のアーケードゲームのメーカーが手がけた家庭用RPGでは、対抗会社との差別化から主人公や物語設定など独自色の強い内容が目指されます。
1990年代に入るとグラフィックや音楽などが高品質の業務用ゲーム(アーケードゲーム)を、遜色なく家庭でも楽しめる家庭用ゲーム機が発売されます。CPU(中央処理装置)も8ビットから16ビットへ。そこでは対戦型格闘ゲームが人気を博し、拳や蹴りだけでなく、刀剣で戦い合う剣戟の対戦型格闘ゲームも生み出されます。
日本の歴史シミュレーション(模擬実験)ゲームの起源は、民生用コンピュータが「マイコン」から「パソコン」と呼ばれるようになって普及した頃です(1980年代)。歴史シミュレーションゲームでは、アクション(動作)やシューティング(射撃)とは違い、川中島の戦いや関ヶ原の戦いなど史実を題材に、歴史のif(もしも)を楽しむことが重んじられます。その根底にはボード(盤)ゲーム思考があります。
アクション(動作)やシューティング(射撃)と呼ばれるゲームジャンルは、パソコンの普及時期に大きく広がります(1980年代)。その最初期、両ジャンルで日本を題材にしたゲームでは、日本刀で敵を斬り、手裏剣を投げて敵を倒す忍者物が多数作られました。その流れは、パソコン登場以前から発展していた業務用ゲーム機(アーケードゲーム機)の世界で加速します。そこには当時アメリカで流行していた忍者映画の人気が背景にあります。
家庭用テレビゲーム機は、1980年代中盤から大流行します。そのとき、スポーツ(競技)ゲーム、アクション(動作)ゲーム、シューティング(射撃)ゲームに加え、ロールプレイングゲーム(RPG)が大人気となります。プレーに長時間を要するRPGは、セーブ機能の技術発展によって家庭用テレビゲーム機でも可能になりました。RPGでは、刀剣が最後の敵(ラスボス)を倒すのに不可欠な存在となっています。
通称ファミコンで知られる家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」(1983年〔任天堂〕)の爆発的な普及によって、パソコンゲームで発展していたジャンル「歴史シミュレーションゲーム」もファミコンに登場します。1988年、複数の同ジャンルのソフトが発売され、その結果、子どもが家庭用ゲームを通じて日本の歴史を楽しむという時代が訪れます。