刀剣・日本刀の知識を学べる刀剣の専門サイトです。
こちらは、日本刀Q&A「日本刀の概要」ページです。刀剣・日本刀の反り・刃紋の種類、刀剣・日本刀の登録証についてや刀剣・日本刀の手入れの仕方や頻度など、実際に所持したことを想定した質問もご覧いただけます。Q&A形式で掲載しておりますので、ぜひご活用ください。
刀剣・日本刀に反りが付いた理由は、戦いの様式が変わったため。反りがあると、馬上で抜刀しやすく、片手で斬りつけても、相手に深い傷を負わすことができるからです。種類としては、
①茎に近いところで反る「腰反り」
②真ん中あたりで反る「輪反り」
③鋒/切先に近い位置で反る「先反り」
があります。
刃文は、「沸」(にえ)や「匂」(におい)と呼ばれる細かな粒子で構成されています。沸は文様を構成する粒子が粗めで、肉眼で視認できる程度の物を言い、匂とは肉眼で視認が難しい微粒子で、見た目には白い霞のようにみえる物です。大きな区別として、真っ直ぐに刃に入る「直刃」と波打ってみえる「乱刃」があり、乱刃の中に、「互の目」(ぐのめ)や「丁子」(ちょうじ)、「湾れ」(のたれ)など、いろいろな模様があります。
武士は、戦場で仲間同士の斬り合いが起こらないよう、秩序ある行動が徹底されていました。つまり、左腰に刀剣・日本刀を差した状態で、右手で刀剣・日本刀を抜き、左側を通行すること。こうすれば、鞘と鞘がぶつからず、不意の敵襲にもすみやかに対応できたのです。
その刀剣・日本刀は「村正」です。徳川家康はこの村正を忌み嫌ったと言われています。なぜなら、家康の祖父・松平清康が家臣に暗殺されたのも、父・松平広忠が家臣に切られたのも、嫡男・信康が信長に命じられて切腹させられた際使われたのも、すべて村正の刀剣・日本刀だったからです。しかし、尾張徳川家には家康の形見として村正が伝来、現在も徳川美術館に所蔵されています。この妖刀説は、村正の刀剣・日本刀がよく切れたため、村正を独占するために家康が流したのではないか、とも言われているのです。
源頼朝を征夷大将軍に任命した後鳥羽天皇は、刀剣・日本刀をたいへん好んだことで有名です。上皇となり、宮廷に鍛冶場を設けて、諸国から集めた名工に刀剣・日本刀を制作する「御番鍛冶」を制定。その刀剣・日本刀に、上皇が気に入っていた菊花紋を彫り込ませたのです。この菊花紋がのちの天皇にも受け継がれ、現在、皇室の紋章として定着しています。
不法に刀剣・日本刀を所持することはできません。刀剣・日本刀の所持は、「銃砲刀剣類所持等取締法」によって規定されています。登録証がない場合は、銃刀法第23条に規定されているように、すみやかに最寄りの警察に届け出なければいけません。違反すると20万円以下の罰金が科せられますので、ご注意ください。
まず、発見した刀剣・日本刀に、登録証があるかどうかを確認します。登録証がない場合は、すみやかに警察に連絡をすれば、「刀剣類発見届出済証」を交付してもらえます。それを持って交付から20日以内に、お住まいの地域の教育委員会の審査を受けて登録証の交付を受けないと、刀剣・日本刀を所持することはできません。登録証がある場合は、お住まいの地域の教育委員会に連絡をし、「所有者変更届出書」を提出する必要があります。
やむを得ず紛失した場合は、再交付が可能です。登録証を発行した教育委員会に連絡をして、再交付の手続きを取りましょう。指定された審査日に刀剣・日本刀を持参して鑑定を受け、同一の物とみなされれば、登録証が再交付されます。再交付手数料(東京都では3,500円)がかかります。(平成29年9月現在)。
刀剣・日本刀の現物に、目釘穴を開けたり銘を塗りつぶしたりなど、登録済みの内容から変更した場合は、再登録をする必要があります。登録証を発行した教育委員会に連絡をして、指示にしたがって再鑑定を受けましょう。再登録の手数料(東京都では6,300円)がかかります。(平成29年9月現在)。
教育委員会に連絡をしてください。鑑定の結果、刀剣・日本刀と登録証の記載内容が異なる場合は、教育委員会が刀剣・日本刀の取得の経過などを調査し、事件性がなければ再交付の手続きをしてもらえます。この場合は再登録の手数料(東京都では6,300円)が必要です。(平成29年9月現在)。また、単なる誤記や記載もれだった場合は、訂正された正しい登録証を交付されます。この場合は、手数料はかかりません。
事前に手続きが必要です。刀剣・日本刀は古美術品とされ、海外へ持ち出す際は文化庁に「古美術品輸出鑑査証明」を申請する必要があります。申請書と持ち出そうとする刀剣・日本刀の登録証を提出すると、約2週間後に証明書が交付されます。出国の際に、これを税関に提出すれば、持ち出しが可能です。なお、重要文化財指定物件及び重要美術品等認定物件は、文化財保護法及び関係法令により、原則として国外に持ち出すことはできません。【お問い合わせ先】文化庁文化財部美術学芸課TEL:03-5253-4111http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/kokusai/kobijutsuhin/
江戸時代の大名の正装は、裃(かみしも)に長袴(ながばかま)です。そのため、刀剣・日本刀は着物の帯に差し、鞘尻は袴の切り込み部分から出して差しました。城の外では、大小二本差し。城内では太刀を預け、脇差のみを差しました。
刀匠とは、刀剣・日本刀を作る人のことです。刀匠になるためには、「日本美術刀剣保存協会」に登録することが義務付けられており、刀匠や鍛冶職人のもとに弟子入りし、文化庁主催の研修会「美術刀剣刀匠技術保存研修会」を受講し合格しなければなりません。受講資格は、次の2つです。
①刀匠のもとで4年以上の修業を経ること。
②都道府県の教育委員会の推薦があること。
ただし、弟子を取る刀匠が少なく、狭き門だと言えます。
全国各地で行なわれています。例えば、日本美術刀剣保存協会に入会すれば、鑑賞会に参加できます。日本美術刀剣保存協会TEL:03-3379-1386 https://www.touken.or.jp/nyukai/type.html
鑑賞会に参加する際のマナーとして、次の4つが挙げられます。
①腕時計や指輪は外すこと。刀身に傷を付ける危険性があります。
②刀身に息や唾が掛からないように注意すること。刀身に付着すると錆の原因となります。心配な人はマスクを持参してください。
③刀身は絶対に素手で触らないこと。危険なことはもちろん、錆を発生させます。
④袱紗(ふくさ)は備えてある物を使用し、個人の物は使用してはいけません。また、その袱紗で刀身を拭うことは絶対にしてはいけません。ヒケ傷を付ける原因となります。
手入れの頻度は、3~4ヵ月に1度くらいがベストです。基本的には刀剣・日本刀の鑑賞をするときに、一緒に行なうのが良いです。鑑賞をするためには、表面の油を取らないと地鉄(じがね)や刃文(はもん)がよく見えないので、打ち粉を打って油を除きます。打ち粉を打ちすぎてしまうと、刀剣・日本刀の研面(表面)が悪くなるので注意が必要です。
刀剣・日本刀の手入れは意外と簡単です。刀剣・日本刀は鉄で作られているため、錆びやすいので、錆が付かないように手入れをします。
①まずは、目釘抜を使って、目釘を抜き、柄をはずします。
②刀剣・日本刀を鞘から抜き、刀剣・日本刀に付いている古い油を「拭い紙」でふき取ります。
③「打ち粉」をポンポンと軽く打ち、拭い紙で拭うことを2~3回繰り返します。
④「油塗紙」に「丁子油」を付けて、丁寧に塗ります。
⑤柄を付けて目釘を打ち、鞘に収めれば完了。
刀剣・日本刀の工作とは、修理・加工を行なうことです。劣化した刀剣・日本刀はそのままにせず、ぜひプロに修理してもらいましょう。刃こぼれがあっても、工作をすることで、本来の姿に蘇ります。工作は、刀剣ショップ等で依頼が可能です。まずは予算を出してもらい、預り証をもらうこと。刀身本体でなく、鞘(さや)や拵(こしらえ)も工作してもらえます。
刀剣に秘められた幾多の魅力を皆様にお届けするサイト、刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」。こちらは、日本刀Q&A「日本刀の概要」のページです。刀剣・日本刀の反りや刃紋の種類といった初歩的な質問はもちろんのこと、徳川家ゆかりの「呪い」の刀についてなど、少しマニアックな内容までございます。他にも、実際に刀剣・日本刀を持ったことを想定した質問もたくさん。刀剣・日本刀の登録証についてや刀剣・日本刀の手入れ方法などの質問もあるので、ぜひご覧ください。刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」の掲載内容は、刀剣・甲冑の基礎知識をはじめ、日本刀の歴史や雑学、日本刀にまつわる歴史人や合戦、名刀を生み出した名工に関する情報などをご紹介。日本刀に関するSNS、各種アプリゲーム、日本の歴史川柳、四字熟語といった楽しむコンテンツも充実。刀剣や鎧兜に関する様々な情報を、あらゆる角度からバーチャルの世界でお楽しみいただけます。