「刃長」(はちょう)とも呼ばれる、鋒/切先の頂点から区までの長さのこと。
上古刀の時代は、束(つか:人差し指から小指までを握ったときの長さ)で刃渡りを計測していた。そのため、束の字は「握」や「拳」などとも表記されることがあった。
日本刀の場合、刃渡りは「尺」や「寸」などの単位を用いて記録されている。
例えば、「源義経」に仕えた「武蔵坊弁慶」や、「木曽義仲[源義仲]」の愛妾である「巴御前」は、刃渡り3尺5寸(約106.5㎝)の薙刀を使用していた。刀剣界では、刃渡り2尺2寸5分(約68.2㎝)を定寸と言い、これを刀剣の基準とする。
剣術で用いる刀剣の場合は、2尺3寸(約69.7㎝)を定寸とすることが多いと言われる。なお、刀剣用語では、刃渡りの長い刀剣を定寸に改造することを「定寸に磨上げられ」と言う。