沸出来
にえでき
沸(にえ)とは、刃文に現れる粒子のうち、肉眼で識別できる大きさの白い結晶のこと。刀剣に現れる刃文のなかでも、沸の強い刃文のことを「沸出来」(にえでき)と呼ぶ。
沸の働きによって生じる模様は様々で、次のようなものがある。
「ほつれ」とは、直刃(すぐは)の刃縁(はぶち)のなかに現れる、布を引き裂いたようにほつれた沸のこと。
「打除け」(うちのけ)とは、刃縁に現れる三日月型の細かい沸のこと。
「二重刃」(にじゅうば)とは、直刃と並行するように現れる沸で、焼刃(やきば)が二重となって見えるのが特徴。
「稲妻」(いなずま)とは、焼刃のなかに現れる細い線状の筋のことで、形状が稲妻に似ていることが名称の由来。
「金筋」(きんすじ)とは、鍛え目に沿って見える太い線状の筋で、稲妻が直線的になった模様のこと。