乱刃/乱れ刃
みだれば
直線的な刃文の直刃(すぐは)を除く焼刃(やきば)のこと。
植物の丁子(ちょうじ)の実を連ねた丁子乱れ(ちょうじみだれ)をはじめ、丸い文様が連続して凹凸のある形に見える互の目乱れ(ぐのめみだれ)、ゆったりとした波を思わせる湾れ刃(のたれば)、刃と並行するように点状、または線状に入った焼刃が簾(すだれ)を連想させる簾刃(すだれば)、打ち寄せる大波を思わせる濤瀾刃(とうらんば)など、作刀者によって様々な刃文が生み出された。
「脇差 銘 津田越前守助広 延宝五年二月日」は、大坂新刀の代表工である「津田越前守助広」(つだえちぜんのかみすけひろ)が作刀した脇差。津田越前守助広は、のちの刀工に影響を与えた刃文の濤瀾刃を創始したことで知られている。
本刀は、角がかった刃が交じる濤瀾刃が特徴的で、津田越前守助広の実力が発揮された1振。